O&Mってどういう意味?簡単にわかる太陽光メンテナンスの必要性

投稿日:2019年4月22日 | 最終更新日:2025年12月1日

O&Mとは

2019年問題とは?

2009年にFIT法の前身となる売電制度「余剰電力買取制度」がスタートしました。
この制度の買取期間は「10年間」と定められていたため、対象となる発電所では終了時期が近づいています。この状況が「2019年問題」と呼ばれています。

買取期間は10年ですが、一般的に太陽光パネルは20~30年、またはそれ以上発電できるとされています。

つまり、国による買取期間が終了した後も、太陽光パネルは発電を続けることができます。

電力会社も、買取期間終了後の売電単価は変わるものの、引き続き買い取りを行うプランを提示し始めています。
大手電力会社の買取メニュー(経済産業省のページ)

今後も安定して発電を続けるためには、太陽光発電システムの適切な管理が重要です。
本記事では、あらためて注目されている太陽光発電システムのメンテナンスについて、その必要性や内容を分かりやすくご紹介します。

FIT法の改正について

そもそもFIT法とは?

FITは「固定価格買取制度」のことで、再生可能エネルギーを一定価格で買い取る仕組みを法律で定めた助成制度です。
再生可能エネルギーの普及を目的として、2012年7月1日に始まりました。

太陽光発電では、発電した電気を電力会社が買い取る際の価格を定める制度を指しています。
申請時点の買取価格で、一定期間同じ価格で売電できるため、新規事業者が参入しやすい環境が整いました。

FIT法が改正!なぜ改正されたの?

FIT法の導入後、再生可能エネルギーの普及率は大きく向上しました。
その一方で、いくつかの問題も生じました。

経済産業省資源エネルギー庁の「改正FIT法に関する直前説明会資料」では、成果と課題がまとめられています。

エネルギーミックスの実現と国民負担の抑制

再生可能エネルギーの普及率はFIT導入後に急激に向上しています。
同時に、賦課金(国民負担)も右肩上がりとなりました。これが1つ目の課題です。

この国民負担を抑えながら導入を進める仕組みが求められました。

また、普及率の中でも太陽光発電の導入が突出して増加したことも問題とされました。
太陽光は日中しか発電できず、自然条件にも左右されやすいため、不安定な電源である点が2つ目の課題です。

3つ目として、売電価格が高い時期に認定だけ取得し、設備価格の低下を待って工事を進めない「未稼働案件」が増えたことが挙げられます。

旧FIT法の3つの問題点

    1.国民負担(再エネ賦課金)の増加
    2.日中しか発電できない太陽光発電の偏重
    3.未稼働案件の増加

これらの課題を解消するため、FIT法は改正されました。

FIT法の改正ポイントは4点!

2017年4月にFIT法は改正されました。情勢の変化や旧制度の課題を踏まえ、大きく5つの見直しが行われました。

未稼働案件の認定取消し

旧制度で設備認定を取得していても、2017年3月31日までに電力会社との接続契約締結と運転開始をしていなければ、認定が失効することになりました。

早期運転開始のための期限設定

運転開始期限が発電所の規模に応じて以下のように定められました。

発電所規模(出力) 運転開始期限 ペナルティ
10kW未満 1年 認定失効
10kW以上 3年 売電期間短縮

期限を過ぎてしまうと、住宅用の発電所は認定取り消しです。
産業用の発電所は、売電期間が短縮されます。

「設備認定」から「事業計画認定」へ

旧FIT制度では「設備認定」と「電力申請」の2つで売電単価を決定していました。
改正後は、「設備認定」から「事業計画認定」に変更となりました。

旧制度では「設備認定」と「電力申請」で単価が決まっていましたが、改正後は「事業計画認定」へと変更されました。

設備認定: 設備が基準に適合しているかを確認
事業計画認定: 長期的に事業運営できるか、保守点検や終了時の処理計画が適切かを審査

これにより、発電所を健全に運営する能力がより重視されるようになりました。
つまり、太陽光発電のメンテナンスは必須となっています。

新たな売電価格の決定方法

国民負担(再エネ賦課金)の軽減のために、発電所規模ごとに以下の変更が行われました。

10kW未満: 3年後に事業計画認定を取得した場合の売電単価まで公表
2MW以上: 入札制度を導入

太陽光発電で重要な「メンテナンス(O&M)」とは?

太陽光発電システムを安定して運用するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
O&Mは Operation(運転)Maintenance(保守) の頭文字を取った言葉で、発電所を安全かつ安定して稼働させるための管理業務全般を指します。

「O」:Operation(オペレーション)安定的な利用・運転管理
「M」:Maintenance(メンテナンス)保守点検整備

太陽光発電システムはもともと、メンテナンスフリーと言われていました。しかし、やはり電気的な設備ですので適切なメンテナンスと定期的な管理は必須です。

ここでは、「O」と「M」のそれぞれの役割についてご説明します。

「O」オペレーションの役割

オペレーション(運転管理業務)では、太陽光パネルやパワーコンディショナーが適切に運転できるような管理をします。

具体的には2点あります。

発電量の監視

運転管理の重要なポイントは「毎日の発電量の監視」です。

改正FIT法では、発電量を記録に残すことが必須になっています。

発電量を監視するための方法は2つあります。
1つめの方法が、直接太陽光発電所に行き、電力メーターを確認することです。2つめは、遠隔監視システムで確認することです。

発電所が自宅近くにある場合は1つめの方法も可能ですが、手間と時間がかかります。

2つめのように遠隔監視システムを入れることで、自宅にいながら遠くの発電所の発電状況をすぐに確認することができます。
パソコンだけではなく、スマートフォンやタブレットでも確認が出来ます。アラートメールや毎日の発電状況を知らせるメールも届くので安心です。

障害時の復旧対応

発電量を監視している中で、不具合を発見した時の対応方法について考えておくことも、運転管理の役割です。
「どんな不具合なのか」「どこが原因なのか」「すぐに駆けつける必要があるか」の判断は専門的な知識が必要です。

「M」メンテナンスの役割

メンテナンス(保守点検管理)は、太陽光発電システムが正常に運転できる状態を保つための業務です。

こちらも具体的には2点あります。

定期点検

定期点検は、決められたスケジュール(1年ごとなど)で発電設備の点検をすることです。
点検項目は多数あります。大きな目的としては「設備の老朽化のチェック」「太陽光パネルや機器の絶縁・接地抵抗は問題ないか」「獣害がないか」などです。

人間の健康診断のように、早期発見が重要なポイントです。

太陽光発電のサイト(用地・敷地)管理

サイト管理は、発電設備の設置してある敷地全体の管理のことを指します。
大きな項目としては「雑草対策」「パネル洗浄」「災害の予防対策(保険加入)」「盗難・侵入対策」となります。
盗難や侵入対策としては、注意喚起の看板フェンスを設置するようにしましょう。

義務化された「O&M」どう対応したらいい?

個人での対応は難しい

改正FIT法により、O&Mは義務化されました。管理する項目も多いですし、判断には専門的な知識が必要となります。
全てを個人で管理していくのは難しいため、自分の発電所を安心して任せられるパートナーを見つけることが大切です。
また、いかに自分の負担を減らせるかという点も考えると良いですね。

メンテナンスパック「om’s」という選択

低圧太陽光発電所向けのメンテナンスパック「om’s」のご紹介です。

O&Mに必須なすべての項目を窓口一本で対応できます。

発電量の監視

om’sには、遠隔監視機器「ソーラーモニター」の機器・設置・運用も含まれています。

他社製の遠隔監視機器を設置している場合でも対応可能です。

ソーラーモニターでは、日々の発電量監視に加え、「日・週・月・年」のレポートメールを自動配信することができます。
アラートメールは、パワーコンディショナーの故障や異常アラートはもちろん、実発電量と想定発電量の比較や、パワーコンディショナー・ストリングの電流値の相対比較を行い、アラートメールをとばすことができます。

本来は天気が良くて発電量が多いはずなのに、実際は極端に低くなっている場合や、複数台あるパワーコンディショナー同士を比較して、1台だけ性能が低くなっているという場合の異常の早期発見に役立ちます。

復旧対応

毎日監視をしていても、突然の故障やトラブルは発生する可能性があります。
それが「どんな内容の問題なのか」、「なにが原因なのか」ということによって対応の仕方も変わってきます。
その判断は、om’sに任せてしまうことができます。

いざという時に必要な「駆けつけ・1次対応」がom’sなら何度でも無償サービスなので安心です。2回目以降は有料という他社サービスもありますので、比較の際は注意が必要です。

定期点検

om’sでは、年1回の定期目視点検が含まれています。
現地に行かなければわからない、草の伸び具合やシステム不具合の有無をチェックします。
定期目視点検の結果は、WEBで報告書をお送りいたします。

サイト管理

「雑草対策」「パネル洗浄」「盗難・侵入対策」はオプションにて対応可能です。
※規模や設置状況により異なります。

災害の予防対策(保険加入)

om’sは、損保ジャパンと提携しています。
保険請求時の窓口も、om’sが行いますので手間を減らせます。

まとめ

今回は、安定的な太陽光発電に必要なO&Mについてご紹介しました。

2009年に導入された余剰電力買取制度は、買取期間10年間の終了を迎えようとしています。
2012年に導入されたFIT法(固定買取価格制度)では、太陽光発電を普及させましたが問題点も発生しました。

・国民負担の増加(=再エネ賦課金)
・日中しか発電できない太陽光発電ばかり導入されている
・未稼働案件の増加

この問題を解消するために、2017年「改正FIT法」が制定されました。
改正FIT法では、より安定的に太陽光発電所を維持していくためのルールが作られました。

オペレーションとメンテナンスを意味する「O&M」も義務化。
弊社が提供する O&M サービス「om’s」では、太陽光発電の維持管理に必要な項目をまとめてカバーしています。
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※本記事は投稿日時点の情報に基づき公開しております。現在の情報とは異なる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。
※最新の情報は、om’s clubのサイトをご覧いただくか、弊社までお問い合わせください。
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