太陽光発電・ソーラーパネルの火災保険は必要?おすすめプラン3選

投稿日:2024年6月26日 | 最終更新日:2024年7月25日

比較・選び方

太陽光発電事業を行う上では、設備や運用に伴うリスクも考慮しておく必要があります。例えば、ソーラーパネルの損傷や機器の故障などによる火災リスクは無視できません。そのため、火災保険に加入することはとても重要なポイント。火災保険に加入しておけば、万が一の事故や災害時に発生する損害をカバーできますし、精神的な安心感を得ることもできます。とはいえ、保険の契約は難しい部分も多いので、保険会社とのやり取りなども含めてサポートしてくれるO&Mサービスを活用するのがおすすめです。太陽光発電の火災保険に加入すべきか悩んでいる人のためにも、今回は火災保険の特徴や必要性を紹介していきます。

■太陽光発電の火災保険の概要

火災保険は、建物や設備が火災によって損害を受けた際に補償をしてくれるもので、太陽光発電システムもその対象に含まれます。台風や豪雨、落雷といった風災や水災による損害も補償してくれるものがほとんどであるため、実質的には災害保険ともいえる保険です。火災が発生してソーラーパネルやその他の機器が損傷すると、修理や交換に多額の費用がかかることもあります。こうしたリスクに備えるためにも、火災保険の加入はとても大切でしょう。また、2020年4月より「太陽光発電設備の保険加入の努力義務化」が呼びかけられているため、太陽光発電の保険加入の重要性はより高まっています。

普通火災保険

普通火災保険は、住宅や建物、設備などを火災から守るための基本的な保険。火災による損失だけではなく、台風や落雷、豪雨、洪水などの自然災害による損害もカバーするものが多いです。火災や自然災害はいつ発生するかわからず、その被害は甚大なものになるケースもあります。太陽光発電においても、ソーラーパネルや設備の故障などで火災が起こる可能性はゼロではないので、予期せぬリスクに備えて保険加入をしておくことで、万が一の際の経済的な負担が軽減しますし、早期復旧も目指しやすくなるでしょう。

動産総合保険

動産総合保険は、動産に対するリスクを包括的にカバーする保険。事業者が所有する設備や機械、在庫といった動産は、火災や自然災害、盗難や事故など、さまざまなリスクに晒されています。動産総合保険に加入しておけば、これらのリスクによって発生した損害を補償してもらえます。火災保険と似ている部分も多いですが、動産総合保険では「不測かつ突発的な事故」にも対応してくれるものが多いので、加入しておくと火災保険だけではカバーしきれない広範囲なリスクに備えることができます。

企業向け包括保険

企業向け包括保険は、工場や事務所、倉庫など、企業が所有する複数の建物や設備を1つの契約でカバーすることができる保険。複数の事業所を所有していて、それらの保険をまとめて加入したいと考えている人に最適なものといえます。1つの契約で補償をまとめることによって負担は減りますし、保険の重複や漏れを防げるメリットもあるでしょう。保険の加入漏れをなくせば、火災や災害などが発生した場合のリスクにしっかりと備えられます。

■補償内容の具体例を紹介

「火災保険」は、火災はもちろん、落雷や風災、雪災、破裂や爆発などによる損害に対する補償を行ってくれます。これらに加えて、「動産保険」では火災保険ではカバーできない広範囲のリスクの補償まで可能になります。例えば、航空機からの落下物による事故や建物の倒壊なども、補償対象になるケースが多いです。また、「不測かつ突発的な事故」という事項が含まれることも多いので、予期せぬリスクにも備えることができるでしょう。火災保険は指定する財物に対する補償ですが、「企業財産包括保険」は、保有する全ての財物が補償範囲となります。また、財物だけではなく、利益減少や営業の継続費用の間接損害も補償されるケースも多いです。

■太陽光発電の火災保険の加入率とは…

「太陽光発電に係る保守点検の普及動向等に関する調査」によると、令和2年度の太陽光発電事業者の保険加入率は、50kW未満の低圧事業者、50kW以上の高圧事業者ともに、約90%。保険加入をしている事業者のうち、火災保険の加入率に関しては、低圧が77%、高圧が82%という結果でした。平成29年度の調査と比較すると、保険に加入していない事業者の割合は32%から10%へと大きく減少。また、火災保険の加入率は、低圧が11%、高圧が3%の増加を見せています。

■火災保険選びのポイント&おすすめプラン3選

火災保険を選ぶ際には、保険の補償範囲をしっかりと確認することが何よりも重要です。多くの火災保険は、火災だけではなく、風災や水災、盗難などによるリスクもカバーしてくれます。また、基本補償にプラスして、オプション特約などが付帯しているものもあるので、保険料などのコスト面はもちろん、事業環境や状況に合った補償が得られる保険を選ぶようにしましょう。実際にどのような保険があるのか、3つの火災保険プランを紹介していきます。

おすすめ火災保険プラン①

あいおいニッセイ同和損保の「タフビズ(事業活動総合保険)」は、事故発生前から営業再開まで事業活動をトータルでバックアップしてくれる保険です。建物や設備・什器などに生じた損害に加え、事故や災害による休業時の損失も補償してくれます。事業活動を取り巻くさまざまなリスクに対応していて、基本の補償は「物損害の補償」「休業損害の補償」のいずれか、または両方を選択することができます。「ワイドPlusプラン」「ワイドプラン」「ベーシックプラン」「エコノミープラン」の4つの契約プランが用意されているので、コストを考慮しながらそれぞれの事業環境に必要な範囲の補償プランを設計できるのも大きな特徴です。

おすすめ火災保険プラン②

三井住友海上の「ビジネスキーパー(事業活動総合保険)」は、それぞれのニーズに合わせた補償設計が可能な保険です。基本補償として「財物損害のみ」または「休業損害のみ」または「財物損害・休業損害のどちらも」があり、充実補償の「ワイドPlus」「ワイド」、基本的な補償の「ベーシック」「エコノミー」の4つの契約プランから選択ができます。事業形態に応じた幅広いオプションも用意されている上に、「被災設備修復サービス」「気象情報アラートサービス」「人事・労務相談デスク」という3つの付帯サービスも利用できます。災害をはじめとしたさまざまなトラブルに対応してくれるサービスなので、事業を行っていくにあたり心強い味方になるでしょう。

おすすめ火災保険プラン③

東京海上日動の「企業総合保険(財産補償条項)」は、火災や落雷、破裂や爆発をはじめ、さまざまな偶然の事故によって、建物、設備・什器、商品や製品、屋外設備装置に生じる損害まで幅広い補償を行ってくれる保険です。6パターンの契約プランが用意されているので、コストを考慮しながら細かく補償内容を選択できます。また、「修理付帯費用保険金」「損害拡大防止費用保険金」「請求権の保全・行使手続費用保険金」「失火見舞費用保険金」「地震火災費用保険金」「安定化処置費用保険金」という6つの費用保険金もあり、実際に事故が起こってしまった場合にも迅速にサポートしてくれます。

■まとめ

太陽光発電事業には、火災だけではなく、台風や落雷などの自然災害などによる損害のリスクが伴ってしまうものです。特に火災が起きてしまうと、被害が甚大になる危険性もあるので、火災保険への加入はマストといえるかもしれません。保険加入に不安や難しさを感じている場合は、保険会社とのやり取りまで含めたサポート対応をしてくれるO&Mサービスとセットで保険契約をするのがおすすめですよ。

 

参考:
https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2020FY/000399.pdf
https://aioinissaydowa.co.jp/business/product/toughbiz/jigyokatudo/
https://www.ms-ins.com/business/property/biz-keeper/
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/hojin/zaisan/kiso_zaisan/

 

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