O&Mとは?サービス内容から太陽光発電設備に必要な理由、事業者選びのコツについて詳しく解説
投稿日:2026年1月30日 | 最終更新日:2026年1月30日
O&Mとは、Operation(運転) と Maintenance(保守) の頭文字を取った言葉であり、太陽光発電設備をはじめとする各種機械設備を設置した後に行われる「運用・保守業務」のことです。
光エネルギーを電力に変換する太陽光発電設備を安定して運用するためには、O&Mによる点検・定期的なメンテナンスが欠かせません。
O&Mは管理項目が多く、専門的な知識も求められるため、一般的には専門事業者に依頼する企業が多いです。事業者ごとに特色・料金プラン・サービス内容が異なるため、のちのち後悔を避けるためにも複数社から見積もりを取り、比較検討した上で選定することをおすすめします。
本記事では、O&Mの具体的なサービス内容、太陽光発電設備の維持管理に必要な理由、受けられるサポートの種類、事業者選びのポイントについて詳しく解説します。
O&Mのサービス内容
O&Mとは、Operation(オペレーション)&Maintenance(メンテナンス)の略称です。まずは、それぞれの意味・サポート内容について詳しく紹介します。
Operation(オペレーション)
Operation(オペレーション)とは、設備を正しく、そして効率的に運用するための運転管理業務を指します。

オペレーション業務では、太陽光パネルやパワーコンディショナー(PCS)が適切に稼働し続けるよう、日々の状態を把握し、必要な対応を行います。オペレーションで主に行う業務は、主に次の2つです。
- 発電量の監視……毎日の発電量を確認し、記録する。
- 障害時の復旧対応……不具合を発見した際に、原因の特定と対応を行う。
発電量の監視方法には、現地で電力メーターを直接確認する方法と、モニタリングサービス(遠隔監視システム)を利用する方法があります。オペレーション業務には、障害発生時の迅速な復旧対応も含まれています。
Maintenance(メンテナンス)
Maintenance(メンテナンス)とは、太陽光発電システムが正常に運転できる状態を保つために欠かせない保守点検管理のことです。

主な業務は、以下の3点です。
- 定期点検……決められたスケジュール(1年ごとなど)で発電設備の点検を実施する。
- 太陽光発電のサイト(用地・敷地)管理……発電設備を設置している敷地全体の管理を行う。
- 機械の修繕……設備機械のメンテナンスなどを実施する。
サイト管理の内容は、主に雑草対策・パネル洗浄・災害の予防対策(保険加入)・盗難・侵入対策などが挙げられます。
機械をメンテナンスする場合は、稼働していた機械を一度停止させ、保守管理専門の人員がメンテナンス作業・定期保守などを行うこともあります。
O&Mが太陽光発電設備に求められる理由
太陽光発電設備は、日常的な機械・設備のメンテナンスが不十分だと、本来なら防げたはずのトラブルが発生する恐れがあります。O&M業務を適切に行うことで、こうしたトラブルを未然に防ぎ、設備を安定的に稼働させることが可能です。
本項目では、太陽光発電設備においてO&Mがなぜ重要なのか、その理由について詳しく解説します。
法律で定められているため
FIT法(固定価格買取制度)とは、再生可能エネルギーで発電した電気を一定価格で買い取ることを法律で定めた助成制度です。再生可能エネルギーの普及を目的として、2012年7月1日に導入されました。
その後、情勢の変化や旧制度の課題を踏まえ、2017年4月に改正FIT法が施行され、以下のような見直しが行われました。
- 未稼働案件の認定取消し……2017年3月31日までに電力会社との接続契約締結と運転開始が完了していない場合、認定が失効する。
- 早期運転開始のための期限設定……発電所の規模に応じて運転開始期限を設定(例:10kW以上は3年以内)
- 設備認定から事業計画認定へ……売電単価は、電力申請と事業計画認定によって決定される方式に変更。
- 新たな売電価格の決定方法……国民負担(再エネ賦課金)を抑えるため、発電所規模ごとに制度を変更。(例:10kW未満は3年後に取得した事業計画認定の単価まで公表、2MW以上は入札制度を導入)
改正後は、売電単価を決定する際に必要だった「設備認定」が、「事業計画認定」に変更となりました。両者の違いは以下のとおりです。
- 設備認定…… 設備が基準に適合しているかを確認する。
- 事業計画認定……長期的に事業を運営できるか、保守点検や終了時の処理計画が適切かを審査する。
この改正により、発電所を健全に運営する能力がより重視されるようになり、太陽光発電設備のメンテナンスは必須となりました。

さらに、改正FIT法では発電量を記録する「発電量の監視」が求められるようになったため、日常的なオペレーションも欠かせない要素となっています。
関連記事:O&Mってどういう意味?簡単にわかる太陽光メンテナンスの必要性
参考資料:改正FIT法に関する直前説明会資料(経済産業省資源エネルギー庁)
感電・火災トラブルを防ぐため
太陽光発電設備は、自然エネルギーを電力に変換できる環境に優しい仕組みですが、自然環境の中に設置されているからこそ、特有のトラブルが発生することも多いです。その代表例が、小動物による被害です。主に想定されるトラブルは、主に以下のとおりです。
- ネズミ・ハクビシン・アライグマ……配線をかじる。
- 猫・野犬・イタチ……パネル下に入り込み、ケーブルの断線や騒音・臭気の発生。
- シカ・イノシシ(山林近接地)……フェンスの破壊、パネル支柱への体当たり・倒壊。
小動物による被害が発生すると、配線やケーブルの破損から漏電・出火に繋がる恐れがあります。

過去には、日経BPの公式サイトに掲載された記事で、小動物が電線をかじったことにより、太陽光パネルを接続した単位であるストリング全体が発電停止に陥った事例が報告されています。こうしたリスクは、定期的な点検を行うことで早期発見・対策が可能です。
参考記事:小動物がかじって発火、ストリング全体が発電停止(日経BP)
電力量を維持するため
太陽光発電設備のパネル表面に汚れや埃、鳥のフンなどが付着すると、太陽光の吸収量が減少し、発電効率が低下します。その他にも、周辺機器の劣化や故障が発生すると、設備が十分に機能せず、安定した電力量を維持できなくなります。
こうしたリスクに対して、太陽光発電設備にO&Mサポートを導入することで、パネルの汚れ対策や機器の故障・劣化を抑制でき、発電効率を長期間にわたり高く保つことができます。
太陽光発電設備のO&Mサポート
個人の場合、所有する太陽光発電設備が自宅から離れた場所に設置されているケースも多く、ご自身だけで設備を適切に管理するのは容易ではありません。
また、工場や企業においても、建物や敷地が広範囲に及ぶことから、自社内の人員のみで太陽光発電設備を継続的に管理することは、決して簡単とは言えません。
そのため、多くの発電事業者では太陽光発電設備の導入後、O&M事業者のサポートを活用し、保守・点検といった業務を専門家に委ねています。ここでは、O&M事業者を利用することで受けられる具体的なサポート内容について紹介します。
目視点検
目視点検とは、太陽光発電システムの外観や周辺環境に異常がないかを確認する作業のことです。

主なチェック項目は、以下のとおりです。
- パネルの割れ・汚れ・焦げ・コーティングの劣化
- 架台やボルトのサビ、緩み、傾き
- ケーブルの断線・たるみ・損傷
- 雑草や木の影、落ち葉の付着
- フェンスや周辺設備の破損
パネルの汚れや破損・故障、ケーブルの断線、あるいは周辺環境の異常が生じると、太陽光を十分に取り込めなくなったり、発電機能が正常に働かなくなるため、発電量が低下してしまいます。定期的な目視点検を行うことで、こうしたトラブルを早期に発見し、発電効率を安定して維持することが可能です。
モニタリングサービス(監視サービス)
モニタリングサービスとは、発電所の稼働状況や異常の有無を遠隔で継続的に把握する仕組みおよびそれに不随する対応サービスのことです。同サービスには「遠隔監視システム」と呼ばれる離れた場所にある発電所の発電状況を即座に確認できるシステムが導入されることが一般的です。

太陽光発電設備には、太陽光パネルだけでなく、パワーコンディショナーをはじめとする多くの周辺機器が含まれます。これらの機器に不具合が生じると、発電量の低下や火災につながる可能性があるため、日常的な確認が欠かせません。
モニタリングサービスを利用すれば、広範囲にわたる周辺機器の状態を一括で把握でき、不具合の早期発見・スムーズな対応が可能です。
参考記事:設備の遠隔監視でできることとは?メリット・デメリットも解説!(NTT)
パネル洗浄や除草
太陽光発電設備は屋外に設置されるため、天候・塩害・飛来物などの影響でダメージを受ける可能性があります。たとえば、パネル表面に落ち葉や雑草が付着すると、日射を十分に取り込めなくなり、発電量が低下します。
さらに、その状態が長期間続くと、光が遮られたセルだけが高温になる「ホットスポット現象」が発生し、モジュールの性能低下や故障につながる恐れも……。ホットスポット現象とは、落ち葉や鳥のフンなどによる影が原因で、一部のセルが発電できないまま熱を帯びてしまう現象です。適切な清掃やメンテナンスを怠ると、発電性能の低下を招くため、定期的なパネル洗浄はトラブルの予防に有効と言えるでしょう。

また、地面に設置するタイプの太陽光発電設備であれば、周囲に生い茂る雑草が影を落とし、十分な日射を確保できなくなる場合があります。そのようなケースの場合、除草を行うことで影の影響を軽減し、発電量の低下を抑えることが可能です。
参考記事:陰の影響はありますか?(太陽光発電協会)
参考記事:太陽光発電における「ホットスポット」とは?(NTT)
O&M事業者選びのコツ
O&M業務の内容は事業者によって提供範囲やサポート体制が異なるため、複数社を比較し、自分が求めるサービスを確実に提供してくれる事業者を選ぶことが重要です。
本項目では、これから専門事業者への依頼を検討している方に向けて、O&M事業者を選ぶ際のポイントについて詳しく紹介します。
サポートが充実している
O&M事業者が提供する契約形態は、実にさまざまです。主な契約形態は、以下のとおりです。
- 日々の運営業務から定期検査・保守までを一括で任せられる。
- 保守委託契約をはじめ、定期検査と保守のみを対象とする。
- 24時間の遠隔監視を中心とした契約。
多くの業務を事業者に任せたい場合は、サポート範囲が広く、サービス内容が充実している事業者を選ぶと安心です。また、パワーコンディショナーはメーカー独自の高度な制御技術が用いられているため、PCSメーカーがO&M事業者や発電事業者と直接保守契約を結ぶケースが一般的に多いようです。
参考記事:O&M契約とは(日経BP)
異常が発生した時の対応スピード
太陽光発電設備は、天候や周辺環境、小動物の影響を受けやすく、突然の故障や天災による破損が発生する可能性があります。

トラブルが発生した際には、事業者に現場へ急行してもらわなければなりません。ところが、発電所と事業者の営業所が遠い場合、到着までに時間がかかる恐れがあるので注意が必要です。そのような理由から、O&M事業者を選ぶ際には、契約前に「営業所から発電所までの距離」や「トラブル発生時に現場へ到着するまでの目安時間」を確認しておくと安心です。
参考記事:太陽光発電のO&Mとは?必要性や業者選びのポイントなどを詳しく解説!(丸紅)
複数の事業者から見積を取る
O&M事業者は、提供しているサービス内容や料金プランが事業者ごとに大きく異なります。そのため、ひとつの業者のプランや料金だけで判断してしまうと、契約後に「必要なサポートが受けられなかった」という事態が起きたり、逆に不要なサービスに余計なコストをかけてしまう可能性があります。
より適切な契約を結ぶためには、複数の事業者から見積を取り、サービス範囲・料金・対応体制などを比較検討することが大切です。複数社を比較することで、自社のニーズに最も合ったO&M事業者を選びやすくなり、長期的な運用コストの最適化にもつながります。
太陽光発電の保守・点検に、会員制O&M「om’s club」が有効な理由
om’s clubは、太陽光発電設備のO&M業務サポートに特化した会員制サービスです。ご利用いただくことで、日常の維持管理をしっかりと行い、天候や小動物などによって発生しやすいトラブルやリスクを最小限に抑えることができます。
ここでは、弊社のO&Mサービス「om’s club」が太陽光発電設備の保守・点検において有効である理由について詳しく紹介します。
駆けつけ・点検等を一本化した「メンテナンスパック」
om’s clubで利用できる「メンテナンスパック」とは、保険加入をはじめ、駆けつけ対応や点検などの業務を一括で提供するサービスです。主なサポート内容は以下のとおりです。
- スマホやPCで発電状況を確認できる監視機器(ソーラーモニター)の設置
- サポートセンターによる発電状況の常時モニタリング
- システム停止などのアラート発生時の現地駆けつけ手配
- 現地確認の結果、台風被害によるPCS故障などのトラブルを特定
- 自然災害が原因で売電が停止した期間の売電保証
監視機器を設置することで、日々の発電量の確認に加え、「日・週・月・年」単位のレポートメールを自動で受け取ることができます。モニタリングは、他社製の遠隔監視機器を利用している場合でも利用が可能です。

メンテナンスパックでは、トラブル発生時の復旧対応(駆けつけ・一次対応など)が何度でも無償で利用できるため、万が一の際も安心です。異常が確認されれば、迅速に作業員を派遣し、復旧作業を行います。
売電補償は自然災害が原因の場合に適用され、1日最大10,000円、最長1カ月間まで補償されます(免責3日間)。なお、雑草対策・パネル洗浄・盗難対策・侵入対策などは、オプションとして追加することが可能です。
参考記事:om’s club
定期点検で異常を早期発見
定期点検とは、あらかじめ決められたスケジュール(年1回など)に沿って発電設備の状態を確認する作業のことです。主な点検項目は以下のとおりです。
- 設備の老朽化状況の確認
- 太陽光パネル、および関連機器に絶縁状態がないかチェック
- 接地抵抗に問題がないかの測定
- 小動物による被害(獣害)の有無の確認
om’s clubでは、年1回の定期目視点検を実施しています。定期目視点検によって、現地に行かなければ確認できない、雑草の伸び具合やシステム不具合の有無を把握することが可能です。

点検結果は、報告書をWeb上でご確認いただけます。
関連記事:O&Mってどういう意味?簡単にわかる太陽光メンテナンスの必要性
低コストで保険も付帯
ここ数年、火災保険の保険料は値上がり傾向にあります。台風や豪雨などによる大規模な損害が相次ぎ、保険金の支払額が増加したことが、その一因とされています。そのため、現在加入している火災保険を解約して別の保険に乗り換えると、かえって保険料が高くなる可能性があるので、解約・契約の際には注意が必要です。
その点、om’s clubはメンテナンスと保険がセットになっているため、安心して利用できます。

また、損保ジャパンと提携しており、保険請求の窓口もom’s clubが担当するため、手続きの手間を大幅に軽減できます。
関連記事:O&Mってどういう意味?簡単にわかる太陽光メンテナンスの必要性
参考記事:火災保険 保険料値上がりの理由は?ポイントを解説!(三井住友海上)
まとめ
太陽光発電設備の破損・漏電・発電量低下などのトラブル・リスクを防ぎ、設備を安定して稼働させ続けるために、O&M(運用・保守)は欠かせない業務のひとつです。
目視点検をはじめとするO&M業務は、個人でも実施することは可能です。しかし、屋根上での作業や、樹木が生い茂るなど立ち入りにくい環境では、転落や事故の危険性が高まるため、専門のO&M事業者に依頼する方が安全と言えるでしょう。
O&M事業者と契約する際は、料金体系やサポート内容が事業者によって大きく異なるため、「コスト」と「サポート範囲」の両面から比較検討することが重要です。他社では「年1回まで無料、2回目以降は70,000円」といった制限が設けられているケースが多いですが、om’s clubでは駆けつけ対応が回数無制限で無料(※一次対応)で利用できます。トラブルが多い時期でも追加費用を気にせず、安心してお任せいただけます。
「追加料金を気にせず、困ったときにすぐ頼れるサポートがほしい」「なるべく、多くの業務をお任せしたい」とお考えの事業主さまには、弊社のO&Mサービス「om’s club」をぜひご検討ください。
※最新の情報については、om’s clubの公式サイトをご確認いただくか、弊社までお問い合わせください。



