太陽光発電の遠隔監視システムの5社を比較

投稿日:2024年7月30日 | 最終更新日:2024年7月30日

比較・選び方

遠隔監視システムを導入することにより、太陽光発電システムの稼働状態をリアルタイムで監視し、異常が発生した場合には迅速に対応することが可能になります。この記事では、太陽光発電の遠隔監視システムの基本機能、具体的な種類、選び方、および主要な6社のシステムの特徴を比較し、最適なシステム選びのポイントを解説します。

太陽光発電の遠隔監視システムとは?

これらのシステムは、発電量、電圧、電流などのデータをリアルタイムで監視し、異常が検出されるとアラートを発信します。これにより、発電量の低下や機器の故障を迅速に把握し、早期に対処することが可能となります。さらに、データの記録や分析機能を備えているため、長期的な発電効率の向上やメンテナンス計画の最適化にも役立ちます。また、遠隔操作機能があるシステムでは、設定の変更やトラブルシューティングをリモートで行うこともでき、太陽光発電システムの安定的な運用が確保され、投資回収期間の短縮や運用コストの削減が期待できます。太陽光発電の遠隔監視システムは、発電効率を最大限に引き出し、トラブルに迅速に対応するための重要なツールと言えます。

太陽光発電の遠隔監視システムの種類

太陽光発電の遠隔監視システムには、大きく分けて二つのタイプがあります。まず、CTセンサーを用いた監視システムがあります。CTセンサーは電流を測定し、発電量を監視する装置で、設置が比較的簡単であり、既存のシステムにも容易に導入できる特徴があります。しかし、取得できるデータが限られているため、詳細な故障原因の特定が難しい場合があります。もう一つのタイプは、パワーコンディショナーと直接通信する監視システムです。このシステムは、ストリングごとの発電量やパワーコンディショナーの稼働状況を詳細に把握することができ、異常発生時の原因特定が容易です。ただし、導入コストが高くなる傾向があり、使用するパワーコンディショナーのメーカーに依存する場合があります。これらのシステムは、それぞれの特性を理解し、発電所の規模や目的に応じて選択することが重要です。

太陽光発電の遠隔監視システムの選び方

太陽光発電の遠隔監視システムを選定する際の重要なポイントは、見やすさやわかりやすさが高いシステムを選ぶことが重要です。確認できる端末も重要な要素で、スマートフォン対応のシステムは、どこからでも発電所の状況を確認できる利便性もあります。費用面については、初期費用だけでなく、月額費用やメンテナンス費用も考慮して、予算に合ったシステムを選びましょう。

遠隔監視システムの5社を比較 – メリット・デメリットを比較

ここでは、主要な遠隔監視システムを提供する5社の製品について解説します。各システムの特徴を理解し、自分のニーズに最も合ったものを選びましょう。

L・eye

L・eyeは、ラプラス・システム社が提供する遠隔監視システムで、低圧から高圧まで対応可能です。データの記録と分析機能が充実しており、長期的な発電効率の改善やメンテナンス計画の最適化に貢献します。パワーコンディショナーと直接通信することで、発電量や稼働状況をリアルタイムで把握し、異常発生時に迅速に対応することができます。

みえるーぷ

みえるーぷは、株式会社Looopが提供する太陽光発電の遠隔監視システムで、RS-485の通信方式を採用しています。このシステムは、パワーコンディショナーから直接データを取得し、発電所単位、パワーコンディショナー単位、ストリング単位で発電量をわかりやすくグラフやデータ表で表示します。スマートフォンやタブレットからも簡単に情報を確認でき、アラートメッセージはメールやウェブ上で通知されます。みえるーぷの特長は、1台で最大30台のパワーコンディショナーを監視できる点と、小規模な発電所からメガソーラーまで同一料金で利用できる点です。オプションとして、気象センサーや監視カメラの追加も可能で、日射量や温度の計測も行えます。ただし、発電異常のアラート発報が正常に作動しない場合があるため注意が必要です。

エコめがね

エコめがねは、NTTスマイルエナジーが提供する太陽光発電の遠隔監視システムで、特に低圧発電所に特化したシステムです。スマートフォンに対応しており、どこにいても発電量や売電金額を確認することができます。発電量のレポート機能が充実しており、毎月の発電状況を他のユーザーと比較することが可能です。しかし、初期画面での発電異常の発見が難しく、過去データの参照操作が煩雑な点が気になる点です。データ活用がしやすいシステムであり、詳細なデータ分析を行いたいユーザーにとって非常に便利なツールです。

スマートPV

スマートPVは、TAOKE社が提供するシステムで、2017年に日本市場に参入して以来、急速に普及しています。このシステムは、設置、監視、管理がしやすいことをコンセプトにしており、複数の発電所で異常箇所を容易に特定することができます。スマートPVは、価格が安価でありながら、パワーコンディショナーごとの詳細な発電量を監視できる点が特徴です。専用のスマートフォンアプリも提供されており、外出先からでも簡単に状況を確認できます。しかし、CSVファイルでデータを出力できない点や、データ確認がシステム内のみで行われる点が気になる点です。スマートPVは、高圧、低圧両方の発電所を所有し、コストを抑えながらも詳細なデータ監視を行いたいユーザーに適したシステムです。

ソーラーモニター

ソーラーモニターは、エナジー・ソリューションズ社が提供する遠隔監視システムで、見やすいサイネージ画面が特徴です。加えて、発電所の状況を一目で把握できるように設計されており、日次、週次、月次、年次のレポート機能が充実しています。アラート機能も備えており、パワーコンディショナー同士の相対比較(何%乖離があるか)に応じてアラートメールにて通知を行います。気になる点は、管理サイトの画面遷移の煩雑さです。ソーラーモニターは、視認性の高さと使いやすさを重視するユーザーに最適なシステムであり、特に詳細なレポート機能を必要とするユーザーに向いています。

まとめ

太陽光発電の遠隔監視システムは、発電所の効率的な運用を支える重要なツールです。各システムにはそれぞれの特徴があり、適切なシステムの導入により、発電効率の最大化とトラブルの早期発見が可能となり、長期的な運用の安定性を確保できます。

 

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