太陽光発電のメンテナンスの必要性と具体的な故障事例

投稿日:2024年8月28日 | 最終更新日:2024年8月28日

災害対策

太陽光発電システムの導入が増える一方で、メンテナンスやトラブル対応の重要性も無視できません。太陽光発電はメンテナンスフリーと誤解されがちですが、実際には定期的な点検や修理が必要です。特に、パネルや周辺機器の故障は発電効率の低下や安全性の問題に直結するため、早期発見と対応が求められます。

本記事では、太陽光発電のメンテナンスの必要性と具体的な故障事例について詳しく解説し、O&M(運用・保守)サービスの利点についても触れていきます。

太陽光発電はメンテナンスフリーではない

太陽光発電システムを効果的に運用するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。 ソーラーパネルの破損や接続部分の不具合が放置されると、発火や感電のリスクが高まります。特に、住宅の屋根に設置されたシステムは、万が一の事故が家庭全体に大きな影響を及ぼす可能性があります。

効果面でも、メンテナンスを怠ると発電効率が低下し、期待した効果が得られないことがあります。例えば、パネル表面の汚れなどは、発電量の低下を招きます。

ソーラーパネル故障事例 5選: 原因と対策

太陽光発電システムのパネルは、システムの中心的なコンポーネントであり、その性能がシステム全体の効率に直結します。しかし、ソーラーパネルにも様々な故障が発生することがあります。
以下では、代表的な故障事例とその原因、対策について詳しく解説します。これらの故障を理解し、適切な対策を講じることで、システムの長期的な安定運用を確保することができます。

スネイルトレイル

スネイルトレイルは、太陽光パネルの表面に発生する微小なクラックが原因で、見た目がカタツムリの跡のように見える現象です。この現象はパネルの内部に微細なクラックが生じた結果であり、発電効率には直接的な影響を与えないことが多いです。
しかし、見た目の問題や長期的な劣化の進行を防ぐためには対策が必要です。
対策としては、定期的な点検と清掃、パネル表面の異常を早期に発見し適切な処理をすることが重要です。

クラックパネル

クラックパネルは、ソーラーパネルの表面に大きなひび割れが発生する現象です。このひび割れは、強風や雹などの自然災害や、人為的な衝撃が原因で発生することが多いです。
クラックが発生すると、発電効率が大幅に低下し、最悪の場合、ソーラーパネル自体が使用不能になることがあります。対策としては、必要に応じて早期にソーラーパネルを交換することが推奨されます。損害保険に加入している場合、保険を活用して修理や交換を行うことも可能です。

ソーラーパネル焦げ

ソーラーパネル焦げは、ソーラーパネル内部の配線の断線や接続不良が原因で発生する現象です。この現象は、ソーラーパネルの一部が過熱し、焦げてしまうことで発生します。ソーラーパネル焦げが発生すると、その部分の発電が停止し、ソーラーパネル全体の効率が低下します。対策としては、定期的な点検を行い、異常が発見された場合は直ちに修理を行うことが重要です。また、ソーラーパネルの設置時には、信頼性の高い業者に依頼し、適切な施工を行うことも重要です。

ストリング発熱異常

ストリング発熱異常は、ソーラーパネルの一部の発電が停止し、その部分が過熱してしまう現象です。この現象は、ソーラーパネルの接続不良や断線が原因で発生します。発熱異常が発生すると、その部分のパネルが過熱し、最悪の場合発火する危険性があります。対策としては、赤外線カメラを使用した点検を行い、異常な発熱が見られた場合は直ちに修理を行うことが重要です。

クラスタ断線

クラスタ断線は、ソーラーパネル内部の配線が断線する現象です。この現象は、ソーラーパネルの一部の発電が停止し、発電効率が低下します。クラスタ断線が発生する原因は、製造上の不良や長期間の使用による経年劣化です。

ソーラーパネル以外の太陽光発電の周辺機器の故障事例 5選: 原因と対策

太陽光発電システムにはソーラーパネルだけでなく、様々な周辺機器が含まれています。これらの機器が故障すると、システム全体のパフォーマンスに影響を及ぼすことがあるため、ソーラーパネルのメンテナンスと同様、定期的なメンテナンスが不可欠です。以下に、代表的な故障事例とその原因、対策について解説します。

ソーラーパネル留め金具の不具合

ソーラーパネルの留め金具が緩んだり、劣化したりすることで、ソーラーパネル自体が不安定になり、最悪の場合、強風などで飛散する危険性があります。留め金具の不具合は、経年劣化や施工不良が原因で発生します。

施工不良については、メーカーの保証の対象となることが多いですが、経年劣化によるものは補償内容を確認する必要があるでしょう。

架台ボルト緩み・発錆、フレームの歪み

架台のボルトが緩んだり、発錆したり、フレームが歪むことは、ソーラーパネルの設置構造全体の安定性に大きな影響を与えます。この問題は、施工不良や経年劣化だけでなく、地震や強風などの外的要因が原因で発生します。

対策としては、緩んだボルトの締め直しや、発錆部分の交換を行うです。また、架台の設置場所の地盤を適切に整備することも、フレームの歪みを防ぐために必要です。

配線・配線管の不良

配線や配線管の不良は、経年劣化や施工不良、雑草などによる外部からの影響が原因で発生します。これにより、発電効率が低下し、最悪の場合、配線がショートして火災が発生する危険性があります。
こちらも対策としては、定期的な点検とメンテナンスを行い、不良箇所を早期に修理することが重要です。また、配線や配線管を保護するための適切な施工を行い、外部からの影響を最小限に抑えることも必要です。

地盤陥没

ソーラーパネルの設置場所の地盤が沈下することで、架台が不安定になり、ソーラーパネルの角度が変わるなどの問題が発生します。地盤陥没の原因は、施工時の地盤整備不良や地下水の流出などが考えられます。

こちらは設置前に地盤調査を行い、必要に応じて地盤改良を行うことも必要になり、
地盤の異常が発見された場合は早期に対応することが求められます。

雨水による地表面の浸水

雨水による地表面の浸水は、ソーラーパネルの設置場所が低地にある場合や排水設備が不十分な場合に発生します。この問題が発生すると、架台の安定性が損なわれ、ソーラーパネルの発電効率が低下する可能性があります。

このような環境条件による問題は、保険の対象となるかどうかはケースバイケースですが、設置業者の施工保証範囲内でカバーされることが多いです。

対策としては、設置場所の排水設備を整備し、浸水を防ぐための対策を講じること、また、排水設備の機能を維持することも必要です。

まとめ

太陽光発電システムの長期的な安定稼働を確保するためにも定期的な点検とメンテナンスを専門業者に任せることで、故障や劣化を早期に発見し、安全性と発電効率を維持するためにも、O&Mサービスとのセット契約をおすすめいたしますので、是非ご検討ください。

 

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