太陽光発電所に設置するフェンスを選ぶ5つのポイント

投稿日:2019年5月20日 | 最終更新日:2025年11月28日

災害対策

フェンスの設置は必要なの?

今回の記事では、太陽光発電所にフェンスを設置する際の選び方のポイントについて解説します。

なぜフェンスを設置しなければならないのか
フェンスの設置によって得られるメリット
フェンスの設置基準
フェンスを選ぶ際のチェックポイント

こうした疑問をお持ちの方に向けた内容となっています。
特に、低圧の野立て太陽光発電所を所有されている方に参考にしていただける記事です。

改正FIT法でフェンス設置が必須に

2017年4月1日に施行された改正FIT法(固定価格買取制度)により、太陽光発電所の運用管理および保守点検(O&M)が義務化されました。

フェンスの設置については、経済産業省の「事業計画策定ガイドライン」および「電気設備の技術基準の解釈 第38条」で定められています。

規定内容を簡単にまとめると、
「人が立ち入る可能性のある場所では、構内への立ち入りを防止するために柵や塀を設けること」。
従来、50kW未満の設備ではフェンス設置は義務ではありませんでしたが、改正FIT法により20kW以上50kW未満の低圧野立て発電所でも設置が必須となりました。

フェンス設置を省略できる例外

事業計画策定ガイドライン」には、以下の2つの除外規定が記載されています。

【除外例1】フェンスがなくても第三者が近づけない場合

屋根置きや屋上設置など、物理的に人が容易に近づけない場合は例外となるケースがあります。

引用:「柵塀等の設置が困難な場合(屋根置きや屋上置き等)や、第三者が発電設備に近づくことが容易でない場合(塀付きの庭、私有地で公道から相当程度離れている等)は、柵塀等の設置を省略できる。

「容易でない」「相当程度離れている」など、表現が抽象的である点には注意が必要です。

【除外例2】営農型太陽光発電で、フェンスが農作業の妨げになる場合

営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)は農地を利用するため、トラクターが出入りできないなど農作業に支障が出る場合は除外されます。

フェンスを設置することで得られるメリット

フェンスの設置には費用がかかりますが、以下のような点で設置する価値があります。
大切な太陽光発電所を守るためにも、メリットを理解しておきましょう。

子どもの侵入防止

低圧の野立て発電所は、子どもにとって遊び場のように見える場合があります。
フェンスがなければ容易に侵入でき、機器に触れて感電するリスクもあります。
フェンスは、いたずら防止と安全確保のためにも重要です。

防犯対策

野立て発電所では、人目につきにくい場所にあるケースが多く、「ケーブル盗難」が発生しやすい傾向があります。
フェンスを設置するだけでも、盗難リスクを大幅に抑えることができます。

実際のケーブル盗難被害の現場写真

太陽光設備で最も盗難被害が多いのがケーブルであり、持ち運びやすくシリアル番号もないことが理由です。

獣害対策

山間部などでは、イノシシやシカなどの野生動物がパネルに接触し、破損させてしまうケースがあります。
フェンスは動物の侵入防止にも有効で、防犯と併せてリスク低減につながります。

気になるフェンスの設置基準は?

フェンスを設置する際には、満たすべき基準があります。ここでは、5つのポイントに分けて解説します。

基準1 立ち入れない高さにすること

具体的な高さの規定はありませんが、子どもが容易に乗り越えられない「120cm以上」が目安です。
特にケーブル盗難を防ぐには、簡単に侵入できない高さが求められます。

基準2 設備に外部から触れられない距離を確保すること

フェンスと太陽光設備の距離に明確な基準はありませんが、約1m離すのが望ましいと言われています。 漏電リスクを考慮し、第三者が誤って触れない距離が必要です。

基準3 簡単に取り除けない構造であること

ロープなど簡易的な囲いはNGです。
金属製で、一定の強度があることが求められます。

基準4 出入口には施錠をすること

侵入防止の観点から、施錠は必須です。鍵の種類に指定はありません。

基準5 立入禁止の看板を設置すること

外部から見えやすい位置に看板の設置が義務付けられています。

・低圧(20~50kW未満)…「立入禁止」
・高圧(50kW以上)…「立入禁止」+「高電圧危険」

出力規模で表示内容が異なるため注意が必要です。

太陽光発電所に設置するフェンスの選び方

フェンスを選ぶ際のポイントを5つご紹介します。高価な設備を守るためにも、慎重に選定することが大切です。

ポイント1「サビに強い加工がされているか」

フェンスは常に雨風にさらされるため、サビや腐食への対策が重要です。 サビに強いメッキ加工(例:溶融亜鉛メッキ、PVCコーティングなど)が施されているかを必ず確認しましょう。 サビに弱いフェンスを選んでしまうと、数年で劣化し、交換費用が発生する可能性があります。

ポイント2「必要な強度を満たしているか」

風の強い地域や獣害のリスクが高い地域では、フェンスそのものの強度が必要です。 支柱の太さや、地面への固定方法(コンクリート基礎など)は、見た目以上に重要なポイントです。 とくに、傾斜地や地盤が弱い場所では、より強度のある仕様が求められます。

ポイント3「設置環境に合った高さか」

一般的には120cm以上が望ましいとされていますが、周辺環境によって最適な高さは変わります。 「子どもの侵入を防ぎたいのか」「獣害対策を強化したいのか」など目的に応じて選びましょう。 高めのフェンスを選ぶことで、防犯面での抑止効果も高まります。

ポイント4「メンテナンス性を妨げないか」

フェンスを設置することで、逆にメンテナンス作業がしづらくなるケースもあります。 発電所内に入る動線や、草刈り・点検作業のスペースが確保できるかどうかもチェックしましょう。 扉(ゲート)の位置や数も、後から変えにくい部分のため重要です。

ポイント5「コストと耐用年数のバランスは適切か」

フェンスは一度設置すると長期間使用する設備です。 価格だけで選ぶと、耐用年数が短かったり、補修が頻発したりすることがあります。 初期費用だけではなく、「どれくらいの期間、安心して使えるか」を基準に判断すると失敗しません。

トラブルの原因が自然災害であれば保険対応する

現地で状況を確認すると、「パネルが割れていた」「積雪で架台が変形していた」「ケーブルが盗難に遭っていた」など、自然災害や外部要因によるトラブルが見つかるケースは珍しくありません。 保険に加入していれば、これらの損害は保険金で補償される可能性があります。

一般的に、太陽光発電所で保険適用となる自然災害の例は次の通りです。

● 火災
● 落雷
● 破裂・爆発
● 風災(台風・暴風雨・豪雨など)
● ひょう災
● 雪災(豪雪・雪崩など)
● 水災(洪水・融雪洪水・高潮・土砂崩れなど)
● 建物外部からの物体の落下・飛来・衝突・倒壊

保険は「万が一が起きた時に自己負担を避けるための備え」です。
太陽光事業においては、保険加入は実質的に必須といえるでしょう。

地震は補償対象になる?
om’sで提供している保険では、地震・津波・噴火・戦争・テロは補償対象外です。
保険会社によっては地震保険を付帯できる場合もありますが、保険料が非常に高く、事業として費用対効果が合わないケースがほとんどです。
そのため、太陽光保険では地震補償がついていないことが一般的です。

定期的な点検をする

om’sでは、年1回の目視点検を標準サービスとして提供しています。 データ上では異常がなくても、現地で確認してみると、

・架台の沈み・歪み
・草の繁茂状況
・周辺環境の変化
・ケーブルの状態
・フェンスの劣化

など、実際に現地へ行かなければ気づけない問題が多くあります。

最低でも年1回は、現地確認を含めた点検を行うことをおすすめします。

これまで4つのポイントを説明してきましたが、
「ここまで必要なのか?」と思われる方もいるかもしれません。

しかし、太陽光の売電による損失は、後から取り戻すことができません。

FITの買取期間は20年間で固定されており、
・発電していても
・発電していなくても
・想定より発電が多くても
・想定より発電が少なくても
“20年間”という期間は変わりません。

だからこそ、日々の損失をいかに防ぐかが、長期的な収益性を左右します。

維持管理をしっかり行い、損失を最小限に抑えることこそが、安定した売電事業に直結します。

まとめ

太陽光発電所のメンテナンスは、「やったほうが良い」ではなく「やらなければ損をする」ものです。 日々の監視からトラブル対応、保険、定期点検まで、一つでも欠けると収益に直結します。

om’sは、これらすべてをワンパッケージで提供し、オーナー様の負担を最小限に抑えるサービスです。

まずは、現在の発電状況・保険内容・点検状況の3つを確認し、抜け漏れがないかチェックしてみてください。

※本記事は投稿日時点の情報に基づき公開しております。現在の情報とは異なる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。
※最新の情報は、om’s clubのサイトをご覧いただくか、弊社までお問い合わせください。
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