太陽光発電の電磁波と体調不良の関係とは?対策も紹介

投稿日:2024年8月23日 | 最終更新日:2024年8月23日

災害対策

今回は、太陽光発電システムと電磁波の関係について詳しく見ていきましょう。

そもそも電磁波とは?

電磁波は、電気と磁気が結びついて空間を伝わるエネルギーの一種です。電磁波には、さまざまな種類がありますが、一般的に以下の三つに分類されます。

高周波数:放射線
中周波数:光
低周波数:電波

放射線はX線やガンマ線など、高エネルギーで医療診断や治療に利用されますが、過度な被曝は健康に悪影響を及ぼす可能性があります。光は目に見える可視光線や紫外線などで、日常的に私たちの生活に不可欠な存在です。電波はラジオやテレビの通信、スマートフォンの無線通信などで使われています。

電磁波は、電場と磁場が互いに直交する方向に伝播する波として空間を伝わります。電場と磁場の振動は周波数によって異なり、周波数が高いほどエネルギーも高くなります。一般的な家庭内の電化製品から発生する電磁波は低周波数帯に分類され、健康への影響は限定的とされています。

電磁波の影響は、その周波数や強度によって異なります。例えば、高周波の放射線はDNAを損傷し、がんのリスクを増加させることがあります。一方、低周波の電波は、一般的には人体に大きな影響を与えないとされています。しかし、一部の人々は電磁波過敏症と呼ばれる症状を示し、微弱な電磁波でも頭痛や倦怠感を感じることがあります。

発生元はソーラーパネル?パワーコンディショナー?太陽光発電システムから電磁波が発生する仕組み

太陽光発電システムから電磁波が発生する仕組みについて、次の3つの項目に分けて詳しく解説します。

ソーラーパネルからの電磁波発生

ソーラーパネルは、太陽光を電気エネルギーに変換するために使用されます。ソーラーパネル自体からも微量の電磁波が発生しますが、これは非常に低いレベルであり、通常は人体に悪影響を及ぼすことはありません。ソーラーパネルが屋外に設置されるため、電磁波の影響はさらに希薄化されます。

パワーコンディショナーからの電磁波発生

パワーコンディショナー(パワコン)は、太陽光発電システムで生成された直流電力を交流電力に変換する装置です。この変換プロセスで微量の高周波電磁波が発生します。パワコンは家の内部に設置されることが多いため、その電磁波が室内で感じられる可能性がありますが、一般的な電化製品と同程度のレベルです。

電磁波の伝播と影響範囲

電磁波は直線的に伝播し、障害物によって減衰します。したがって、屋外設置の太陽光パネルからの電磁波は、周囲の環境に大きな影響を与えることはありません。パワコンの電磁波も壁や家具を通じて減衰するため、通常の生活環境では健康へのリスクは非常に低いとされています。

太陽光発電システムの電磁波の強さとは?体調不良と無関係な理由

太陽光発電システムが発生する電磁波の強さと、それが体調不良と無関係である理由について、以下のポイントで解説します。

電磁波の強さ

太陽光発電システムが発生する電磁波は、一般的な家庭用電化製品と同等、またはそれ以下のレベルです。例えば、パワコンから発生する電磁波の強さは約75ミリガウス、太陽光パネルから発生する電磁波の強さは約83ミリガウスとされています。これらの数値は、家庭内で頻繁に使用される電化製品と比較しても低いものです。

電磁波の影響

多くの研究で、家庭内の電化製品から発生する低周波の電磁波が人体に与える影響は極めて限定的であると示されています。これに基づき、太陽光発電システムから発生する電磁波が健康に悪影響を及ぼす可能性は低いと考えられます。特に、ソーラーパネルが屋外に設置されている場合、その電磁波はほとんど外部に放散されます。

日常生活との比較

スマートフォン、タブレット、電子レンジ、エアコンなど、私たちが日常的に使用する電化製品も電磁波を発生させます。例えば、電子レンジは100~200mG(ミリガウス)の電磁波を発生させますが、これにより健康被害を訴える人はほとんどいません。同様に、太陽光発電システムから発生する電磁波も、日常生活において問題となることは非常に稀です。
平成16年度生活環境中電磁界に係る調査 報告書|環境省

それでも心配という場合のパワーコンディショナーの電磁波対策

電磁波に対する不安を持つ方のために、パワコンの電磁波対策について解説します。以下の方法で対策が可能です。

屋外設置

パワコンを屋外に設置することで、室内への電磁波の影響を最小限に抑えることができます。屋外設置により、電磁波は屋外で減衰し、室内にはほとんど影響がありません。これにより、家庭内での電磁波暴露を大幅に減少させることができます。

シールド対策

電磁波干渉防止シートやシールドケーブルを使用することで、電磁波の漏れを防ぐことができます。これらの対策は特に敏感な方向けではありますが、電磁波の影響をさらに低減することが可能です。

適切な距離の確保

パワコンや他の電磁波発生装置から適切な距離を保つことも方法のひとつです。例えば、パワコンを設置する部屋を居住スペースから遠ざけることで、影響を減少させることができます。また、機器の使用中はできるだけ距離を取るよう心がけることも有効です。

まとめ

電磁波は現代生活において避けられない存在ですが、その影響を過度に心配する必要はありません。太陽光発電システムから発生する電磁波も、一般的な電化製品と同程度であり、適切な対策を取ることで安心して利用することができます。適切な知識と対策を持ち、電磁波と上手に付き合っていくことが大切です。

 

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