ソーラーパネルの清掃・洗浄・掃除 業者の費用相場も解説

投稿日:2024年8月28日 | 最終更新日:2024年8月28日

保守・メンテナンス

太陽光発電システムを運用していく上で、ソーラーパネルの清掃は非常に重要です。屋外の自然環境に設置されることが多いソーラーパネルの表面には、ホコリや鳥のフンや落ち葉などが付着しやすく、それらが発電量にも影響を及ぼしかねません。そのため、ソーラーパネルの発電効率を最大限に引き出すためにも定期的な清掃は欠かせないでしょう。とはいえ、自分で清掃を行うのは難しいだけではなく危険も伴うので、清掃や洗浄はもちろん、駆けつけサービスなどまでまとめて対応してくれるO&Mサービスを活用するのも一つの手です。清掃業者の費用相場も含めて、今回はソーラーパネルの清掃の詳細やメリットについて紹介していきます。

■ソーラーパネルを掃除・清掃するメリット

太陽光発電は地球環境にやさしい再生可能エネルギーとして、多くの人に利用され始めてきています。ただ、安全かつ安定した運用を行っていくためには、やはり定期的なメンテナンスや清掃が必要です。特にソーラーパネルに関しては、きちんと清掃を行うことでさまざまなメリットが生じます。清掃によってどのようなメリットが得られるのか、具体的にいくつか紹介していきます。

発電量の維持と下がった発電量の復活

ソーラーパネルの表面に汚れが蓄積すると、ソーラーパネルが受ける日光の量が減少して発電効率が低下することがあります。あまりにも汚れがひどい場合には、発電が停止してしまうこともあるので、定期的なソーラーパネルの清掃は発電量の維持につながります。また、ソーラーパネルの汚れが原因で発電量が低下しているときには、清掃によって発電量が復活するケースもあります。発電量の低下が見られた際には、まずはソーラーパネルの汚れをチェックしてみるといいでしょう。

ソーラーパネルの寿命が長くなる

ソーラーパネルの表面に付着した汚れは発電量の低下を招くだけではなく、長期間にわたり放置してしまうと、ソーラーパネルの素材にダメージを与える可能性もあります。また、鳥のフンや落ち葉などが放置されたことでその部分が発電できなくなると、局所的に異常発熱を起こす“ホットスポット現象”が発生してしまう場合も…。そういったことから破損や故障につながるケースも少なくないので、ソーラーパネルの寿命を少しでも延ばすためにも定期的な清掃は欠かせないでしょう。

■ソーラーパネルの汚れの主な原因とは…

環境によっても異なりますが、ソーラーパネルの汚れの主な原因としては、土埃や砂埃、鳥のフン、落ち葉、花粉、黄砂、水垢、火山灰などが挙げられます。自然要素、人為的要素、気象要素が大きく影響を及ぼしやすいです。ただ、ソーラーパネルの表面には汚れが付着しにくい加工が施されていて、大抵の汚れは雨や風によって流れ落ちるように作られています。
落ちにくい汚れとしては、鳥のフン、セメント、塗料、油性の汚れ、鉱物質の汚れなどがあります。こういった汚れは洗浄でも簡単には落ちにくい上に、放置しておくと発電量を低下させるだけではなく、ホットスポット現象を引き起こす危険性もあります。特に、都市部や工業地帯やその周辺などでは、人為的な要素による落ちにくい汚れが多くなりがちなので、こまめな清掃がより重要になるでしょう。

■ソーラーパネルの掃除にぴったりな時期とは…

ソーラーパネルの汚れは、ほとんどの場合は雨や風で流れ落ちていくので、梅雨時や秋雨の時期などの雨の多い時期は掃除の必要性は少ないです。一方、梅雨明け後は暑くなってきて雨量も減ってくるため、汚れがこびりつきやすくなります。この時期に清掃を行うと、汚れの蓄積を防ぐことができ、ソーラーパネルの効率を高められるでしょう。2月から5月の春先は花粉や黄砂の飛散量が増えるので、清掃を行ってもすぐにまた汚れが蓄積してしまうケースが多いです。過度に清掃頻度を増やすと費用対効果は低下する一方なので、花粉や黄砂のピークが過ぎてからの清掃がおすすめです。

■ソーラーパネルの掃除・清掃は専門業者へ!その理由とは…

ソーラーパネルの清掃は発電量に深く関わってくるとても重要なものです。売電利益にも影響を及ぼすので、きちんと定期的に清掃を行う必要があります。でも、自分で清掃をしてもいいものなのか、清掃業者に依頼するべきなのか、悩んでしまう人もいるのではないでしょうか。自分で行うこと自体は可能ではありますが、基本的にはメーカーも販売店も専門業者への依頼を推奨しています。なぜ専門業者に任せたほうがいいのか、その理由を詳しく解説していきます。

ソーラーパネルを傷つけるとメーカー保証対象外になる可能性

ソーラーパネルの清掃に関して、専門業者への依頼を推奨する一番の理由は、自分で行うとソーラーパネルを破損させてしまう危険性があるからです。過度に負荷をかけたり、適切ではない清掃器具を使用したりすると、それが故障の原因になることもあるかもしれません。さらに、ソーラーパネルを傷つけてメーカー保証の対象外になってしまった場合には、修理費用が別途でかかってしまいます。

間違った清掃方法で逆に発電効率が下がる可能性

きちんとした知識がない状態で自らソーラーパネルの清掃を行うと、逆に発電効率を下げてしまうことになる場合もあります。乱雑な清掃によってソーラーパネルに傷をつけてしまったり、余計に水垢を付着させてしまったり、高圧洗浄機などを使用してパネル内部を破損させてしまったりなどすると、故障のリスクだけではなく、発電量を大きく低下させる懸念も生じてきます。

住宅用の場合は転落の危険も…

住宅用のソーラーパネルは屋根の上に設置されていることが多いため、清掃は高所での作業になります。高所での清掃は慣れない作業であるのでなかなかうまくできないでしょうし、危険度もかなり高いです。一般的な2階建ての住宅の場合、屋根の高さは6~7mほどあると想定され、もしも清掃中に転落をしてしまったら、大ケガを負うことにもなりかねません。ちょっとした判断ミスが大事故を引き起こす可能性もあるので、強引に自分で清掃を行うのはやめるべきでしょう。

■ソーラーパネルの掃除・清掃業者の費用相場・選び方のコツ

ソーラーパネルの清掃を専門業者に依頼した場合、「基本料金+パネル枚数分の料金」というのが一般的な費用形態です。基本料金が50,000円前後、パネル1枚あたりの料金が500~1,000円というのがおおよその相場になります。業者を選ぶ際のポイントとしては、まずは費用と実績が何よりも重要です。さらに、どこまでのサービスやケアが含まれているのかもチェックしておきましょう。清掃後に問題が発生した場合でも適切な対応を行ってくれるのかも大切なので、清掃後のパネル状態や発電効率の保証内容も確認してください。

■ソーラーパネルの掃除道具と手順を解説

ソーラーパネルの清掃に関しては、基本的にはどのメーカーも販売店も自分で行うのではなく専門業者へ依頼することを推奨しています。それでもどうしても自分で行いたい場合には、細心の注意を払って実施するようにしてください。一般的にはどういった清掃道具を使用して、どのような手順で清掃を行っていくものなのか、詳しく解説していきます。

ソーラーパネルの掃除に必要な道具一覧

ソーラーパネルの清掃に必要な道具としては、まずは「マイクロファイバーモップ」です。極細の合成繊維でできていて、吸水性や柔軟性に優れているため、パネルに傷をつけにくいです。次にゴム製の水切りアイテムである「スクイージー」。そして、「ガラス用中性洗剤」も必要です。本格的にしっかりと清掃を行いたいのであれば「高圧洗浄機」もあったほうがいいですが、高圧力の水を直接吹きかけるとパネルが故障する恐れもあるので、自分で使用するのはあまりおすすめできません。

ソーラーパネルの掃除の手順

ソーラーパネルの清掃手順としては、まずは葉っぱや木の枝や小石などの大きな汚れを取り除きます。次にガラス用中性洗剤または弱アルカリ性洗剤を薄めた水で汚れを洗い流してください。そして、マイクロファイバーモップで傷をつけないようにパネルをやさしく拭きます。砂や花粉などが残っていないか、拭く前に再度確認するようにしましょう。パネル表面に水垢が残ってしまうと発電量の低下の原因になる場合もあるので、最後にスクイージーでしっかりと水気を拭き取れば清掃終了です。

■自分で掃除する場合の注意点

ソーラーパネルの清掃を自分で行うことは、業者に依頼するよりも費用を抑えられたり、汚れに気づいたらすぐに掃除可能といったメリットはあるかもしれません。とはいえ、不慣れな人が行うとさまざまなリスクが伴うものです。できるだけ専門業者への依頼を推奨しますが、どうしても自分で行いたい場合にはいくつかの注意点があるので、具体的に紹介していきます。

ほとんどの汚れは雨・風で落ちる

そもそもソーラーパネルは、大抵の汚れは雨や風で流れ落ちるように加工設計されています。小さなチリやホコリは付着したとしてもすぐに落ちるケースがほとんどのため、過度に気にする必要はありません。年に1~2回の定期清掃以外は、明らかな汚れが確認できたり、発電量の低下が見られたりする場合に、清掃を検討するようにしてください。

目立つ汚れのみを除去する

自分でソーラーパネルの清掃を行う場合には、基本的には目立つ汚れのみを除去するのがベストです。鳥のフンや葉っぱや木の枝など、明らかにパネルを覆ってしまっている汚れを取り除けばそれでもうOKです。発電効率を上げたいからといって必要以上に清掃をすると、パネルに傷をつけて逆に発電量の低下を招きかねないですし、無理をすると大事故につながる危険性もあるので最低限の作業に留めておきましょう。

雑巾がけ、水道水はNG

汚れがあったら雑巾でゴシゴシと拭きたくなるでしょうが、それはNG行為です。ソーラーパネルに砂ぼこりや花粉が付着していたら、上から雑巾がけをすると表面を傷つけてしまいます。雑巾の生地によって傷がつくケースもあるので、マイクロファイバーモップを使用してください。また、水道水で清掃するとカルキ成分が付着して水垢が残ってしまいます。こびりついた水垢は発電量の低下を招きやすいので、ガラス用中性洗剤または弱アルカリ性洗剤を薄めた水で清掃しましょう。

まとめ

発電量が維持できたり、ソーラーパネルの寿命が長くなったりなど、ソーラーパネルを清掃することによるメリットはとても大きいです。自分で行ってもいいのですが、さまざまなリスクや難しさが伴ってくるため、やはり専門業者に依頼するのがベストです。清掃業者の見つけ方がわからない場合には、清掃やメンテナンス管理などをまとめて行ってくれるO&Mサービスもあるので、そういったサービスを活用するのがおすすめですよ。

参考:
https://rakuene-shop.jp/columns/solarpower-cleaning/
https://nj-enex.co.jp/column/1092/
https://wajo-holdings.jp/media/2512
https://www.solar-c.co.jp/1340.html

 

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