太陽光発電にメンテナンスが必要な理由は?具体的な内容、安心できる事業者選びのポイントを詳しく解説

投稿日:2026年1月29日 | 最終更新日:2026年1月29日

保守・メンテナンス

太陽光発電とは、太陽の光を電力へと変換する発電設備のことです。太陽光発電協会が公表している「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」によると、運用・保守の責任は施工会社やメーカーではなく、発電設備の所有者(システム所有者)にあると記されています。

資料によれば、太陽光発電を導入している事業者は「電気事業法第39条および第56条」に基づき、経済産業省令で定められた技術基準に適合させる義務があります。また、基準に適合していないことが判明した場合には、事業者自ら適切なメンテナンスを実施する必要があります。

その他にも、太陽光発電は安全性・発電効率の維持など、さまざまな理由から定期的な点検・保守が必要不可欠です。本記事では、太陽光発電にメンテナンスが必要とされる背景を踏まえつつ、具体的なメンテナンス内容や事業者選びのポイントについて詳しく解説します。

太陽光発電にメンテナンスが必要な理由

太陽光発電システムは、一度設置すれば20〜30年にわたり使用することが可能です。しかし、設備は常に屋外環境にさらされているため、天候や周辺環境の影響を受けやすく、長期間の使用によってパネルや周辺機器に劣化や不具合が生じる可能性があります。

安定した発電量を長く維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。ここでは、太陽光発電にメンテナンスが必要な理由について紹介します。

事故・故障の予防と異常の早期発見

太陽光発電事業者に保守点検・メンテナンスが必要な理由は、火災や感電などの事故、そして故障トラブルを未然に防ぐためです。太陽光発電設備は、主に次のような要因からトラブルが発生することがあります。

  • 太陽光パネル周辺機器や配線を含む設備の経年劣化による出火
  • 小動物が配線をかじることで起こる漏電
  • 漏電によるスパークが堆積した落ち葉に引火
  • 配線・接続部の劣化による火災

とくに見落とされがちなのが、配線や接続部の劣化です。これらの部品は屋外で長期間使用されるため、紫外線による被覆の劣化や動物による噛み傷などで損傷しやすく、放置すると漏電や火災のリスクが高まります。

 

 

こうしたリスクを防ぐためにも、定期的なメンテナンス・保守点検が欠かせません。点検を行うことで故障や劣化を早期に発見でき、事故の防止に繋げることが可能です。

参考資料:消費者庁|住宅用太陽光発電システムに起因した住宅の火災事故に注意!

法律で義務化されているため

太陽光発電設備の保守点検・メンテナンスは、FIT法(固定価格買取制度)の改正により必須となりました。FIT法とは、太陽光発電などの再生可能エネルギーでつくられた電気を、国が定めた価格で電力会社が買い取ることを義務づけた制度です。

同制度は、2012年7月に「再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(平成23年法律第108号)に基づいて導入されました。改正後は、制度の健全な運用を図るため、以下のような見直しが行われています。

  • 未稼働案件の認定取消し……2017年3月31日までに接続契約の締結と運転開始が完了していない場合、認定が失効。
  • 早期運転開始のための期限設定……発電所の規模に応じて、運転開始期限を設定(例:10kW以上は3年以内)。
  • 設備認定から事業計画認定への移行……売電単価は、電力申請と事業計画認定によって決定する方式に変更。
  • 売電価格の新たな決定方法……国民負担(再エネ賦課金)を抑えるため、発電所規模ごとに制度を見直し(例:10kW未満は3年後に取得した事業計画認定の単価まで公表、2MW以上は入札制度を導入)。

こうした改正により、発電事業者には「長期的に事業を継続できる体制が整っているか」「保守点検が適切に実施されているか」がより厳しく求められるようになりました。

そのような背景から、太陽光発電設備を設置している場合は、定期的な保守点検に加え、問題が見つかれば速やかにメンテナンスを行う必要があります。

発電量をキープするため

太陽光発電設備は、パネル表面に汚れや埃、鳥の糞などが付着すると太陽光の吸収量が減り、発電効率が低下します。

また、故障や破損が生じた場合も日射を十分に取り込めず、安定した発電が難しくなります。定期的にメンテナンスを行うことで、日射を効率よく取り込み、発電量を安定して維持することが可能になります。

メンテナンスの具体的な内容

太陽光発電設備は、故障や破損を放置すると十分に機能しなくなるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。ここでは、太陽光発電設備における具体的なメンテナンス内容について紹介します。

パネルの清掃

太陽光発電設備は屋外に設置されるため、天候(雨風や雪など)、砂埃、黄砂、鳥の糞などの影響でパネル表面が汚れやすくなります。汚れが蓄積すると太陽光の吸収が妨げられ、発電量が低下します。発電量を安定して長期間維持するには、パネル表面の汚れを定期的に除去することが欠かせないと言えるでしょう。

さらに、パネル表面の汚れを放置したままにしておくと、その部分のセルが高温になる「ホットスポット現象」が発生する恐れがあるので注意してください。ホットスポット現象とは、落ち葉や鳥の糞などによる影が原因で、一部のセルが発電できないまま熱を帯びてしまう現象のことです。ホットスポット現象が起きると、モジュールの性能低下や故障につながる可能性が高くなります。

パネルを定期的に清掃し、常に良好な状態を保つことで、発電性能の低下・ホットスポット現象などのトラブルを効果的に防ぐことができます。太陽光パネルを清掃する際、水道水に含まれるカルキによって白い水垢が残る恐れがあるため、純水を使用する方法が最適です。

目視点検

太陽光発電設備に異常が生じると、太陽光を十分に吸収できなくなる恐れがあります。その他にも、漏電によって火災を引き起こす恐れがあるので注意が必要です。

こうしたトラブルを未然に防ぐためには、定期的な「目視点検」が欠かせません。目視点検とは、パネル表面や周辺設備に異常がないかを確認する作業のことです。

主な確認項目は、以下のとおりです。

  • パネルの破損・焦げ・コーティングの劣化
  • 架台やボルトのサビ・緩み・傾き
  • ケーブルの断線・たるみ・損傷
  • フェンスや周辺設備の破損

目視点検を定期的に行うことで、発電効率や安全性に影響する異常を早期に発見でき、トラブルの未然防止・発電量の維持につながります。

除草・雑草対策

太陽光発電設備は、主に屋根に設置するタイプと地上に設置するタイプの2種類が主流です。地上に設置するタイプの場合、周囲に雑草が生い茂るとパネルに影が落ち、太陽光を十分に吸収できなくなります。

さらに、そのまま放置するとホットスポット現象が発生し、パネルの故障や火災につながる恐れがあるため注意が必要です。雑草対策としては、主に以下の方法が挙げられます。

  • 手作業による抜き取りや鎌での手刈り
  • 除草機械を使用した除草
  • 除草剤の散布
  • クラピアなどの被覆植物(グランドカバープランツ)で地面を覆う方法
  • 防草シート、砕石敷き、コンクリート打設などの施工

適切な除草・雑草管理を行うことで、パネルへの影を防ぎ、発電量の低下やホットスポット現象の発生を抑えることができます。

発電性能の確認

太陽光発電設備は、外観に異常がなくても内部で故障が発生すると、その影響を受けて発電量が低下することがあります。たとえば、太陽光パネルが経年劣化によって発電性能を落としている場合は、交換が必要となるので注意が必要です。

その他にも、機器の不具合によって電流が過剰に流れ、漏電のリスクが高まっているといったケースも……。こうしたトラブルを防ぐためにも、太陽光パネルの発電性能を定期的に確認することが重要と言えるでしょう。

発電量は、モニターを導入することで自分でも確認できますが、電流の過剰な流れを調べるには「絶縁抵抗計」という専用機器が必要です。絶縁抵抗計とは、絶縁抵抗値を測定するための機器を指します。使用には専門的な技術が求められるため、絶縁抵抗計を導入する際には専門事業者に依頼する方法が得策です。

太陽光発電システムには、パネル設備だけではなく、パワーコンディショナーなど多くの周辺機器が含まれています。これらの機器に不具合が生じると、発電量の低下や火災の原因となるため、定期的な点検が欠かせません。

メンテナンス費用の相場について

資源エネルギー庁が公表している資料「太陽光発電について」では、太陽光発電設備のメンテナンス費用における相場が紹介されています。資料に記されている費用相場は、一般社団法人太陽光発電協会によるヒアリング調査を基に算出されたものです。

資料によると、5kWの設備を想定した場合、1回あたりの定期点検における費用相場は約4.7万円が目安とのことです。なお、前年度の調査では約3.5万円であり、費用上昇の背景には人件費や燃料費の増加があると記されています。

こうした状況を踏まえ、2025年度の想定値は「3,000円/kW/年」を据え置く方針となっています。太陽光発電設備のメンテナンス費用については、定期点検費用の価格動向を引き続き注視しつつ、適切な予算計画を立てておくことをおすすめします。

ただし、精密点検やパワーコンディショナーの点検を含む場合は、費用がさらに高くなる可能性があります。

参考資料:太陽光発電について(資源エネルギー庁)

安心できる事業者選びのポイント

太陽光発電設備は「一度設置すれば、そのまま使い続けられる」と思われがちですが、実際には長期的に安定した発電を維持するために、定期的な点検や保守管理が欠かせません。

また、O&M事業者にもさまざまなタイプがあるため、安心して長くサービスを利用するには、信頼できる事業者を選ぶことが重要です。ここでは、安心して任せられる事業者を選ぶためのポイントを紹介します。

実績と経験が豊富な事業者を選ぶ

事業者選びでまず確認すべきなのは、太陽光発電設備のO&M業務に関する十分な実績があるか、あるいは確かな技術的ノウハウを備えているかどうかです。

事業者によって、住宅用・産業用のどちらを得意としているか、また料金体系やサービス内容も異なります。契約を検討している事業者があれば、以下のポイントを確認しておくといいでしょう。

  • 住宅用・産業用のどちらに対応しているのか。
  • これまでに何件以上の運用・点検を手がけてきたのか。

これらのポイントについて、お問い合わせの際に確認しておくと安心です。太陽光発電のメンテナンス業務は、O&Mに特化した体制を持つ事業者であれば、専門知識が豊富なため、安心して任せることができます。

対応範囲・点検内容が充実している

O&M事業者によっては、パネル清掃や外観チェックのみといった簡易的なメンテナンスにとどまるケースもあります。しかし、その場合となると、設備内部の故障を見逃す可能性が高いので注意してください。

メンテナンスや点検業務を依頼する際は、点検範囲や作業内容が十分に充実しているかどうかについても確認しておくと安心です。安全で精度の高い点検を求めるのであれば、接続部の締め直しやサーモグラフィ診断など、専門的な作業に対応しているかどうかもチェックしておきましょう。

事業者の中には、メンテナンス・点検の際に保守記録のレポートや報告書を提供してくれる場合もあります。設備の状態を継続的に把握したい場合は、こうしたレポート提出などの運用サポートがあるかどうかもチェックしておくとよいでしょう。

弊社の太陽光発電O&Mサービスom’s club(オムズクラブ)」では、定期目視点検の結果をWEB上で確認が可能な報告書をお届けしています。

関連記事:O&Mってどういう意味?簡単にわかる太陽光メンテナンスの必要性

有資格者が在籍している事業者を選ぶ

点検内容によっては、細部まで確認する精密点検など、専門的なスキルが求められる場合があります。そのため、太陽光発電設備のメンテナンスを依頼する際は、点検に関する専門知識を持つ有資格者が多く在籍する事業者を選ぶと安心です。

太陽光発電の運用・点検に役立つ主な資格は以下のとおりです。

  • 電気工事士……電気設備の保安に関する高度な知識と、技能を持つ専門技術者。
  • PV施工技術者……太陽光発電協会(JPEA)の認証資格で、一定水準以上の施工品質を保証。
  • 太陽光メンテナンス技士……太陽光発電安全保安協会(JPMA)が認定する資格。講習・試験を通じてスキルを証明。
  • メーカー施工ID取得企業……各パネルメーカーが認定し、製品ごとの施工知識を有することの証明。
  • J-PITA技術認定……学科・実技の講習を受講し、検査に必要な実務力を証明。
  • JSMAメンテナンス講習……保全・点検の実務ノウハウを習得できる、現場志向の実用的な講習。

こうした有資格者が在籍する事業者であれば、確かな知識に基づいた安定したサポートが期待できます。

複数の事業者に見積りを依頼し、比較検討する

O&Mのサポート料金は事業者によって異なり、年間契約とスポット契約では価格に差が出ることが一般的です。また、提供されるサービス内容も事業者ごとに大きく異なるため、「コストとサポート内容が見合っているか」を含め、複数社から見積もりを取り比較検討することをおすすめします。

「一度に大きな費用をかけるのは不安」という場合は、月額制で利用できるサービスを選ぶのも有効な方法です。弊社のom’s clubでは、月額10,780円(税込)〜で以下のサービスを利用できます。

  • 電気系統を含むフル点検(年1回)
  • ソーラーモニター設置(設置費用込み)
  • 目視点検(年1回)
  • 駆けつけサービス(一次対応)
  • モニタリングサービス
  • 保険加入
  • 売電保証・EM保証

om’s clubなら駆けつけ対応が回数無制限で無料(※一次対応)で利用できるため、トラブルが多い時期でも追加費用を気にせず、安心してお任せいただけます。

関連記事:om’s 低圧料金表

まとめ

太陽光発電設備は、定期的なメンテナンスが不十分だと発電量の低下や設備の故障に気づけず、最悪の場合は漏電による火災などの重大なトラブルにつながる恐れがあります。

こうしたリスクを防ぐためには、設備の定期的なメンテナンス・点検が欠かせません。しかし、設備が自宅から離れた場所にある場合は、個人での点検が難しくなります。このようなケースであれば、個人で対応するよりも、O&M事業者に依頼する方が安心です。

設備が自宅から離れた場所にあり、定期的な確認が難しい場合は、遠隔モニタリングなどを使用しているO&M事業者がおすすめです。遠隔モニタリングとは、発電量データを24時間監視し、異常があれば自動で通知してくれるサービスのことであり、利用することでトラブルの未然防止や早期発見に大きく役立ちます。

ただし、事業者によっては遠隔モニタリングサービスが追加料金となるケースも少なくありません。弊社のO&Mサービス「om’s club(オムズクラブ)」では、月額10,780円(税込)で、モニタリング・付帯保険・駆けつけ・定期点検・発電診断の5つのサービスがすべて含まれています。

自社開発の太陽光遠隔監視サービス「ソーラーモニター」は累計20,000カ所に導入されており、アラート発生時には迅速に状況を判断できる体制を整えています。

「太陽光発電設備のトラブルを未然に防ぎたい」「異常を早期に把握して事故を避けたい」とお考えの事業主さまには、遠隔監視から定期点検・メンテナンスまでを一括でサポートする「om’s club」のご利用をおすすめします。

※本記事は投稿日時点の情報に基づき作成しています。制度改正やサービス内容の変更等により、現在の情報と異なる場合があります。
※最新の情報については、om’s clubの公式サイトをご確認いただくか、弊社までお問い合わせください。
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