太陽光発電保険の値上げが進む理由とは?免責金額引き上げの背景を解説

投稿日:2024年7月29日 | 最終更新日:2026年1月29日

比較・選び方

太陽光発電は環境にやさしいエネルギー源として多くの支持を集めていますが、その運用・維持にあたっては、さまざまなリスクも存在します。そのため、太陽光発電システムの所有者の多くは、万が一のトラブルに備えて保険に加入しています。

一方で近年は、保険料の値上げや免責金額の引き上げといった動きが進んでおり、コスト面とのバランスを考えながら、より慎重に保険を選ぶ必要性が高まっています。保険の見直しや新規契約を検討する中で、保険会社とのやり取りや条件整理に負担を感じる方も少なくありません。

そうした背景から、保険に関する対応も含めてサポートしてくれるO&Mサービスを選択肢の一つとして検討する発電所オーナーも増えています。この記事では、太陽光発電保険の「保険料値上げ」と「免責金額引き上げ」の背景や現状について、分かりやすく解説します。

太陽光保険値上げの背景を解説

太陽光発電向け保険の保険料が上昇している背景には、いくつかの要因があります。主な理由の一つとして挙げられるのが、近年増加している自然災害です。台風や大雪、豪雨・水害などにより、ソーラーパネルの破損や設備故障が発生するケースが増え、保険金の支払い額が拡大しています。

また、「電気ケーブルの盗難被害の多発」も大きな要因です。銅価格の高騰により、電気ケーブルや配線類に含まれる銅線が高値で取引されるようになり、太陽光発電所が盗難の標的となりやすい状況が続いています。ソーラーパネル自体も中古市場で売却しやすく、被害リスクは決して低くありません。

こうした損害に対する保険金支払いが増加した結果、保険会社の収支を圧迫し、保険料見直しに踏み切る動きが広がっていると考えられます。

2022年10月から保険料の値上げ

自然災害の増加などを背景に、損害保険各社は2022年10月に、火災や災害リスクを補償する企業向け保険の保険料を引き上げました。損害保険料率算出機構は、火災保険の保険料の目安となる参考純率を平均10.9%引き上げており、これは2005年の平均8.7%を上回る、過去最大の引き上げ幅となっています。

太陽光発電向け保険についても、契約条件や保険会社によって差はあるものの、更新時などにおいて20~30%程度の保険料引き上げとなったケースも見られます。損害保険ジャパンによると、自然災害の増加に加え、ケーブルやソーラーパネルの盗難被害が相次いだことにより、2020年を除く多くの年で、太陽光発電保険は「保険料収入よりも保険金の支払額が上回る状態」が続いているとされています。

このような状況から、保険サービスを継続的に提供するためにも、保険料の見直しが避けられない実情があると言えるでしょう。

「免責金額」とは、保険事故が発生した際に、契約者が自己負担する金額のことです。例えば、免責金額が10万円で損害額が50万円だった場合、10万円は自己負担となり、残りの40万円が保険金として支払われます。

免責金額を設定する主な目的には、免責金額を高くすることで保険料を抑えること、少額の保険請求を減らして保険会社の事務負担を軽減すること、過度な保険利用を防ぐモラルハザード対策などがあります。

太陽光発電向け保険においても、自然災害や盗難被害の増加による保険金支払いの拡大を受け、2023年7月以降、保険会社によっては免責金額の引き上げが進められています。内容は保険会社や契約条件によって異なりますが、一例として、免責金額が100万円、もしくは設備工事費用の10%程度と設定されるケースも多く見られます。

値上げ&免責金額引き上げの今、保険に入るべき?

保険料や免責金額が引き上げられている状況を受けて、「本当に保険に入る必要があるのか」と悩む方もいるかもしれません。免責金額が100万円の場合、それ以下の損害は自己負担となるため、意味が薄いと感じることもあるでしょう。

しかし、太陽光発電システムは高額な設備であり、パネルの破損や設備故障が発生した場合、修理費や工事費が高額になるケースも少なくありません。こうした損害がすべて自己負担になるリスクを考えると、保険によるリスクヘッジの重要性は依然として高いと言えます。

また、ソーラーパネルは台風や落雷、豪雨などの自然災害の影響を受けやすく、災害が頻発する近年では、保険による備えは欠かせないものとなっています。地震リスクが高い地域に発電所を所有している場合には、地震保険や地震特約の検討も安心材料の一つとなるでしょう。

コスト面も含め、発電所の立地条件や設備内容、必要な補償範囲を整理した上で、自身の状況に合った保険を選ぶことが重要です。

まとめ

保険料の値上げや免責金額の引き上げが進んでいるものの、太陽光発電システムを安定的に運用していく上で、保険は事業リスク管理の観点から非常に重要な役割を果たします。自然災害や盗難といった予測困難なリスクに備えるためにも、コストとのバランスを考慮しながら、必要な補償内容を見極めていきましょう。

保険の選定や契約手続きに不安を感じる場合には、保険対応も含めてサポートしてくれるO&Mサービスを活用するのも一つの方法です。自分の発電所に合った形で、無理のない保険運用を検討してみてください。

参考:
https://enetech.co.jp/guide/solar-power-insurance/

https://www.nomura.co.jp/fic/fin-wings/column/fire-insurance2022/

https://newswitch.jp/p/37037

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