太陽光発電投資は、雑草との戦い!?

人里離れた立地に設置された野立ての低圧太陽光発電所は、リスクの宝庫。台風でソーラーパネルが飛ぶことがあれば、落雷でブレーカーが落ちたり、パワーコンディショナーが停止することも。それでなくとも故障が心配な機器類を満載する無人施設で、最近は盗難事件も多発。とどめにオールシーズンで自然災害が多発する昨今だけに、もはや固定価格買取制度(FIT)の対象となる20年を何事もなく全うできる可能性の方が低いと言わざるを得ません。

さて、何が起こってもおかしくない太陽光発電所ですが、中でも最も厄介なトラブルメーカーと言えば…? 今回は、ほとんどの施設が晒されることになる「天敵」について考えてみましょう。

収益悪化を招く植物たち

● 雑草が生い茂ると何が起こるのか

野立ての太陽光発電所で最も多いトラブルは、実は「雑草繁茂」による発電量の低下です。初夏以降は少し放置するだけでパネルを覆ってしまったり、高く伸びた草が影を作ったり。春先までは順調に来ていた発電量が6月くらいから落ちてくると、たいていは彼らのしわざです。

誰もいない遠隔地や、人通りの少ない国道沿いなどで増え続けていることから、「太陽光発電所は災害さえなければメンテナンスフリーなのか」と思いがちですが、そうではありません。一見は取るに足らない無力な存在にも見える植物たちは、実は強大な力を秘めています。では、実際の太陽光発電の現場では、どんな問題が起きているのでしょうか。

❶ 発電量の低下

雑草と聞くと背の低い草を思い浮かべますが、人の身長に迫る高さにまで育つ種類もあります。厳しい自然界を生き抜く強者同士が常時バトルロイヤルを展開する舞台ですから、時にはソーラーパネルを覆い尽くすほどの勢いとなることも。中でも、架台やフェンスなど周囲の構造物をつたいながら成長するつる性植物には要注意。地中で根や地下茎がはびこり埋設設備を壊したり、パワコンや接続箱の内部に入り込んで不具合を引き起こした事例さえあります。

❷ 設備・機器の破損

雑草を長く放置すると、小さな虫から鳥獣まで、さまざまな生き物の住み処となります。住みついたネズミやヘビが配線類に噛みつけばケーブルの損傷を招くだけでなく、漏電や火災の原因ともなりかねません。また、大型の鳥が寄ってくると、鋭い爪がパネルを傷つけたり、表面に落とした糞が堆積する可能性も。さらには、スズメバチなどが巣を作れば、たとえ周囲に住人がいない場所だとしても、点検などで訪れた業者らを危険に晒すことになります。

❸ 近隣環境への悪影響

軽視されがちですが、雑草の繁茂は周辺環境に深刻な影響を及ぼします。綿毛を飛ばしたり、鳥などに運ばれることで広範に種子を撒き散らすほか、幹線道路や生活道路に隣接する土地の場合は周辺住民の通行の妨げとなったり、逆にごみの不法投棄場所とされて荒廃が加速する可能性も。さらに、あまりに酷い場合は近隣のクレームで自治体から注意を受けたり、最悪の場合は認定取り消しという事態に発展することもあり得ます。

完全に放置してしまうと、いずれは収益力の面でも被災時に迫るようなレベルの悪影響を及ぼしかねない植物たち。重要なのは「甘く見ないこと」です。

実は危険作業!? 「草刈り」

目に優しい緑の一部ではあるものの、太陽光発電所のオーナーにとっては意外な難敵と化す雑草たち。最も身近な対策は、ご存じ「草刈り」です。刈払機などを使用し、目で確認しながらその場で刈り倒す。これ以上の対処はありませんが、実際は想像以上の難作業となります。

❶ 「年に一度」では済まない

雑草たちは常に過酷な生存競争の中にいますので、草刈りは適した時期に行わなければ、またすぐに新たな草に悩むことになります。6月頃と8月頃、最低でも年2回は行うのが一般的ですが、また伸びてきて再び草刈りが近づく時期にはどうしても発電量が低下しやすい期間が残る上に、伸び切ってしまうとまた設備に近づくのも困難に。安全を期すなら年に3〜4回、それもその環境でベストな時期を見計らって実施したいものです。

❷ 機器の破損や事故に注意

草刈りを外注した場合の一般的な相場を調べると、50㎡あたり7,000〜25,000円ほどという見方が多いようです。ただ、太陽光発電所の敷地内の除草作業は、金額以上に細心の注意が必要となります。たとえば、すでに周囲の地面が見えないほど生い茂った場では刃を支柱などに当ててしまうこともあるため、刈払機を雑に扱うのはご法度。また、斜面など足場が不安定な立地の場合は作業者の安全確保にも注意が必要ですので、慣れていなければ作業は困難です。

❸ 想像以上に過酷な重労働

れでもご自身で草刈りに臨む際は、想像を超える重労働であることを覚悟してください。小規模な低圧太陽光発電所でも、6月・8月に山中に入り、刈払機を抱えて作業するのですから、怪我が心配なだけでなく熱射病などの危険に晒されることもあります。また、経験者に聞くと「草は年々強く、逞しくなる」という声が多いので、売電期間を全うするには相当な体力と気力が必要です。

❹ 万一の際に保険が下りない

作業自体は単純な草刈りは、便利屋やシルバー人材センターに依頼することもできますが、知識を持たない業者が設備を傷つけたという事例は後を絶ちません。特に、体力に恵まれた若いスタッフが力任せに作業すると、小石をパネルに飛ばして割ってしまったり、配線を傷つけてしまったりすることもしばしば。問題は、こうしたトラブルでは動産保険が下りませんので、大きなトラブルに発展する可能性もあります。

最近ではこうした認知が広がり、業者の間でも「太陽光発電所の草刈りは危険作業」と見做すケースが出始めているようです。それでなくともデリケートな設備や機器が多いので、安易なコストダウンに走らず、正しい方法による施行を保証してくれる太陽光発電に精通する専門業者に依頼するのが吉と言えます。

いろいろな防草・除草法

猛暑の中の草刈りはあまりに過酷ということで、実際はいくつかの方法を組み合わせて「戦う」ことになります。では、どんな方法があるのでしょうか。

❶ 除草剤

除草剤には、すでに生えてしまった草に対処するタイプと、これからの生育を予防するタイプがあります。それぞれ用途や薬量、使用時期などを間違うと効果がありませんので、事前に計画を立てる必要があります。コストも安価で、安全性の高い薬剤も増えていますが、環境的な影響は完全にゼロとは言い切れません。特に近隣に田畑や人家などがある場合は慎重になるべきでしょう。

❷ 防草シート

むき出しの状態でもロングライフなもの、上に砕石を敷くことをを前提としたものなど、種類は多様です。ただし、隙間があると草が顔を出しますし、時間が経つとどうしても剥がれてくるほか、完璧に敷き詰めてもシートを突き破って生えてくることも。初期コストも嵩みがちで、材質・施工・現場状態とすべての条件が揃わなければ期待通りの効果を得るのは難しいかもしれません。

❸ 砕石敷き

は単に砂利を敷くことでも、ある程度の役割を果たしてくれます。下に防草シートを広げておいてから敷き詰めれば、さらに効果はアップ。この砂利+防草シートのセットは、住宅まわりでは「犬走り」で定番の除草スタイルなのですが、ソーラーパネルの下に大量の石つぶてを置くのは不安を感じる方も。

❹ コンクリート舗装

駐車場のようにコンクリートで固めてしまえば、対策としてはほぼ最強クラス。維持コストもほとんどかかりません。難点は、工事費用が割高となること。また、排水用の設備を一緒に整備する必要があり、売電期間が終わって太陽光発電投資から撤退する際は以降の土地活用に影響が出ることもあります。

道端のアスファルトの隙間から生えている光景も珍しくない通り、コンクリートですら完全とは言えない雑草対策。いずれの方法も知識と経験が強く問われることを考えれば、やはり専門企業のO&Mサービスを活用するのが早道となるでしょう。

O&Mサービスの雑草対策

個人で太陽光発電事業に臨む場合、一般的にO&M(オペレーション&メンテナンス)サービスを利用するケースが大半。弊社では、独自のO&Mサービス『om’s(オムズ)』内のオプションサービスとして施行保証付きの草刈り(刈り倒し)をご用意しています。

● 独自O&Mサービス『om’s(オムズ)』とは

2021年10月現在、全国約8,500か所の太陽光発電所でソーラーモニターの導入実績を有する、国内でも代表的なO&Mサービスのひとつです。日々の稼働の監視やメンテナンス、現地での目視による点検や有事の駆け付け・緊急対応のほか、一部自然災害※1や電気的・機械的事故などの補償対象、売電補償※2と各種保険までをワンストップで組み込んでいるのが大きな特徴です。

om’s(オムズ)のサービス範囲は、大きく分けて以下の4つとなります。

  • ❶ 運営中の発電所に専用の遠隔監視機器を設置。
  • ❷ 遠隔監視機器を稼働、発電状況を常時モニタリング。
  • ❸ 異常発生を確認次第、専門スタッフが速やかに現地に駆けつけ。
  • ❹ 状況をその場で判断の上、必要な手配や保険対応の準備を開始。

専門知識を持つスタッフ自身が現地に駆け付け、自律的に判断・行動し、保険対応まで一任できるのは、om’s(オムズ)ならではの利点。このメンテナンスパックのほか、選択できるオプションとして赤外線カメラとドローンによるパネル検査やパネル洗浄サービスなどの専門サービスを完備。防草・除草もそのひとつです。

● サービスメニューについて

om’s(オムズ)では、会員制の『om’s club』から事業スタイルに合わせて選択できる各種プランをご用意しています。低圧発電所向けでは、以下の3コースからお選びいただけます。

  • ❶ om’s(オムズ)プレミアム:月額17,380円(税込)
  • ❷ om’s(オムズ)ゴールド:月額10,780円(税込)
  • ❸ om’s(オムズ)ベーシック:月額9,680円(税込)

いずれのプランも現状確認費用として申込時のみ110,000円(税込)がかかります。それぞれメニューは異なりますが、月額費用の中に保険代金が含まれるのは共通しています。また、草刈り(刈り倒し)をオプションでご用意するほか、雑草対策は個別にご相談いただくこともできますので、お気軽にお問い合わせください。

※1:om’s(オムズ)で提供する保険は、地震・津波・噴火、戦争・テロなどによる被害は対象外となります。※2:自然災害が原因で売電が停止した場合に最大で日額10,000円を補償。免責は3日間、最長1か月となります。
詳細は別途お問合せください。