太陽光発電システムから発生する騒音問題とは?

投稿日:2024年8月27日 | 最終更新日:2024年8月27日

災害対策

太陽光発電システムは、クリーンエネルギーとして注目される一方で、さまざまなトラブルが生じることもあります。特に、太陽光発電システムから発生する騒音問題は、予期せぬ困りごととして取り上げられます。

本記事では、太陽光発電システムにおける騒音の原因や対策について詳しく解説します。

パワーコンディショナーは動作中にキーンというモスキート音がなる

パワーコンディショナー(パワコン)は、ソーラーパネルで発電された直流電力を、家庭や事業所で使用できる交流電力に変換します。しかし、この変換作業中に発生する「キーン」というモスキート音が、騒音問題として浮上することがあります。

モスキート音とは、約17kHz前後の高周波音で、「蚊の羽音」に例えられることが多い音です。この音は、人間の耳で聞き取れる範囲の上限近くに位置しており、特に若い人々には不快に感じられやすい特徴があります。年齢を重ねるごとに聴覚は低下していきますが、モスキート音は主に20代前半までの若者が敏感に反応します。

主に音がなるのは発電している日中

モスキート音は、太陽光パネルが日光を受けて発電している間にパワコンから発生します。このため、音が発生するのは主に日中です。夜間にはパワコンが稼働しないため、騒音が問題となることは少ないです。特に住宅用のパワコンは、発生する音が比較的小さいため、周辺住民とのトラブルになるケースはほとんどありません。詳しい情報は、産業省の資料で確認できます。
参考:太陽光発電の環境影響評価に係る検討状況について

音の大きさは?産業用は特に要注意

住宅用パワコンの音の大きさは一般的に40~50デシベルほどで、図書館や静かな事務所内の音と同程度です。しかし、産業用の太陽光発電システムでは、パワコンが大型化するため、発生する音も大きくなります。産業用パワコンの音は70デシベルを超えることがあり、これはセミの鳴き声や騒々しい事務所内の音と同程度の大きさです。住宅街に産業用システムを設置する場合、騒音対策が特に重要です。

カチカチ音は、温度変化による切り替え音

太陽光発電システムのもう一つの騒音として、「カチカチ」という音が挙げられます。これは主に温度変化によるリレーの切り替え音で、パワコンや電気設備が温度差を感知し、動作モードを切り替える際に発生します。頻繁に温度変化がある地域では、この音が特に目立つことがあります。

カチカチ音は、基本的には正常な動作音であり、故障の兆候ではありません。
しかし、音が気になる場合は、設置業者に相談して防音材を使用したり、設置場所を工夫することで音の伝わり方を軽減することができます。

「ブーン」という音がなったら要注意

太陽光発電システムから「ブーン」という連続的な音が発生する場合、これはパワコンの異常を示している可能性があります。パワコンが正常に稼働していない場合、このような低周波音が発生することがあるため、早急な点検が必要です。

この音は、冷却ファンや内部の電子部品の故障によるものが多く、放置するとシステム全体の効率が低下するだけでなく、火災などの重大なトラブルに発展するリスクもあります。異常音を感じたら、速やかに専門業者に連絡して点検・修理を依頼しましょう。

太陽光発電の騒音対策: 静かなパワコンを選ぶ

騒音問題を未然に防ぐためには、初めから静かなパワコンを選ぶことが重要です。最近では、各メーカーが騒音対策を施した静音型のパワコンを提供しており、住宅用では40デシベル以下、産業用でも50デシベル以下の製品が登場しています。

設置前に静音性の高いパワコンを選定することで、後々の騒音トラブルを回避することができます。また、設置場所の工夫も重要で、リビングや寝室から離れた場所に設置することで、音の影響を最小限に抑えることが可能です。

人気のパワコンとして、下記3つを参考に記します。
1.オムロン「KPBP-Aシリーズ」
2.TOYOTA「おうち給電システム」
3.シャープ「JH-WB1921」

まとめ

パワコンからでる騒音は、どうしても避けられないものではありますが、静かなパワコンを選んだり、適切な設置場所を確保することで、騒音トラブルを回避することは可能です。快適で効率的な太陽光発電システムを実現しましょう。

 

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