遠方の太陽光発電所でブレーカーが落ちたら? 原因・対処法と“駆けつけ対応”の重要性

投稿日:2022年8月19日 | 最終更新日:2026年1月9日

災害対策

かつては「異常気象」と表現されていた猛暑も、いまや毎年の恒例となりました。近年では、梅雨が明けきらない6月から厳しい暑さに見舞われる年もあり、太陽光発電所では豪雨や落雷、直射日光による温度上昇など、さまざまなリスクに注意を払う必要があります。

落雷と聞いて、真っ先に思い浮かぶのがブレーカーのトラブルです。太陽光パネルをはじめとする精密機器が集約された太陽光発電所では、パワーコンディショナーと並び、ブレーカーはトラブルが発生しやすい箇所のひとつです。「落ちた」場合はスイッチ操作で復旧できますが、野立ての低圧太陽光発電所では、自宅のブレーカーとは事情が異なります。

ブレーカーの役割について

太陽光発電所は、電気を専門的に扱う設備です。電流管理は基本であると同時に、安定運用の要でもあります。ここではまず、安全装置としてのブレーカーの役割について整理しておきましょう。

ブレーカーとは

家庭で突然「バチン」という音とともに照明が消え、「落ちた」「飛んだ」と言いながら分電盤へ向かった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。ブレーカーとは、その分電盤内に設置された安全装置です。過電流やショート(短絡)など、電気回路に異常が発生した際に、自動的に電気を遮断し、火災などの事故を防ぐ役割を担っています。

「落ちた」「飛んだ」という表現は、ブレーカーのスイッチがオフになり、一時的に電気が使えなくなる状態を指します。分電盤のスイッチを「上げる」ことで、再び電気を使用できるようになります。分電盤は、電気を各部屋のコンセントや照明などへ用途別に分配する装置であり、その基本的な仕組みは住宅でもオフィスビルでも共通です。

なお、建物内のブレーカーは1種類ではありません。過電流を防ぐアンペアブレーカー、漏電を検知して電力供給を停止する漏電遮断器、各回路を保護する配線用遮断器など、複数の役割を持つブレーカーが設置されています。家庭用の太陽光発電設備では、これらに加えて専用のブレーカーが設けられます。

太陽光発電所のブレーカー

野立ての低圧太陽光発電所では、一般的な建物内よりも複雑な電気システムが構築されています。太陽光モジュールで発電した直流電力を集め、売電可能な交流電力へ変換し、電力メーターを通じて外部へ送電するまでには、多くの機器を経由します。

発電所の規模や設計にもよりますが、太陽光パネルのほか、接続箱・集電箱、直流と交流を変換するパワーコンディショナー、発電効率を管理するための日射計や気温計、運転状況を監視するITツールなど、多岐にわたる設備が設置されています。ブレーカーは、こうしたシステムの各所で重要な役割を果たしています。

ブレーカーのトラブルはなぜ起こる

太陽光発電所でも「ブレーカーが落ちる」トラブルは発生します。パワーコンディショナーの不調と並び、主幹ブレーカーの遮断は比較的よく見られるトラブルのひとつです。

電気容量の問題によるトラブル

ブレーカーは、設定された容量を超える電流が流れた場合に作動します。そのため、電気容量に問題が生じるとブレーカーが落ちます。落雷による過電流・過電圧が原因で、ブレーカー自体が損傷するケースもあります。また、発電量を高める目的で、パワーコンディショナーの容量を超えて太陽光パネルを設置する「過積載」の発電所では、特に注意が必要です。

夏場の高温によるトラブル

発熱を伴う機器にとって、夏場の高温環境は大きな負荷となります。近年の猛暑では、太陽光パネルの表面温度が80℃前後に達することもあります。屋外に設置されたブレーカーでは、周囲温度の上昇によって誤作動が起こる場合があります。

漏電によるトラブル

太陽光発電システムでは、各パワーコンディショナーに漏電用ブレーカーが設置されています。野立て発電所では、野生動物によるケーブル損傷などが原因で漏電が発生し、結果としてブレーカーが落ちるケースもあります。

ブレーカーが落ちると、該当箇所の電力供給が停止します。放置すれば、その間の発電量低下につながります。

ブレーカーが落ちた際の対処法

ブレーカーが落ちた場合、基本的な対処はスイッチを入れ直すことです。操作自体は決して難しくありません。

しかし、これは自宅の場合の話です。遠方にある太陽光発電所では、「誰が現地で対応するのか」という問題が生じます。オーナー様ご自身が現地へ赴き、原因を調べて復旧作業を行うのは、現実的とは言い難いでしょう。
O&M(オペレーション&メンテナンス)サービスを利用していれば、遠隔監視によって異常を把握できます。ただし、駆けつけ対応が含まれていない場合や、出動回数の上限を超えた場合には、再び「誰が対応するのか」という課題が浮上します。

すぐにブレーカーを戻さない

ブレーカーは安全装置であり、作動したということは何らかの異常が発生した可能性を示しています。監視データなどを確認し、現地で状況を把握したうえで、原因を見極めることが重要です。

日常の稼働データを分析する

年に何度もブレーカーが落ちる場合は、根本的な原因が潜んでいる可能性があります。日常の稼働データを確認することで、原因を推測できるケースもあります。あわせて、ブレーカーの設置位置が直射日光にさらされていないかなど、現地環境を確認することも有効です。

早道は信頼できる業者への相談

太陽光発電システムは専門性が高く、原因特定や対応には知識と経験が求められます。遠方の発電所であれば、なおさら迅速な対応が難しくなります。代わりに対応してくれる体制をあらかじめ用意しておくことが、安定運用への近道です。

もはや必須の「駆け付けサービス」

個人で太陽光発電事業を行う場合、O&Mサービスを利用することで、多くの不安を軽減できます。ただし、ここで注意すべき点があります。

「誰が」レバーを上げるのか

遠隔監視が含まれるO&Mサービスは多く存在しますが、駆けつけ対応については内容に差があります。実際に「誰が現地へ出動するのか」は、事前に確認しておくべき重要なポイントです。

出動コストの問題

駆けつけ対応には回数制限や追加費用が設定されているケースも少なくありません。ブレーカー落ちが複数回発生した場合、その都度コストがかかれば、収支に影響を及ぼす可能性があります。

保険では対処できない

ソーラーローンに付帯する保険では、ブレーカー対応のための駆けつけ費用は補償対象外となるのが一般的です。
ブレーカーを入れ直すだけで終わるケースもあれば、その裏で「発電停止が続いていた」「別の異常が同時に起きていた」ということも、決して珍しくありません。
重要なのは、その場で判断し、次の一手まで完結できる体制があるかどうかです。

om’s(オムズ)は、単に駆けつけるだけのO&Mではありません。現地対応から原因判断、必要に応じた修理手配や保険対応までを一貫して行い、太陽光発電投資を「止めない」「迷わない」状態で支えます。

目の届かない発電所だからこそ、“何かあった時に任せきれる仕組み”を用意しておくことが、安定運用への近道です。

※本記事は投稿日時点の情報に基づき公開しております。現在の情報とは異なる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。
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