【2025年最新版】太陽光発電の保険の見積もり。保険の種類・相場と最適な選び方

投稿日:2025年6月24日 | 最終更新日:2025年6月24日

お知らせ

太陽光発電システムは長期的な投資である一方で、自然災害や機器故障などのリスクと常に隣り合わせです。適切な保険に加入しておくことで、予期せぬ事態による損失を最小限に抑え、投資の安全性を高めることができます。

本記事では、太陽光発電の保険の種類や保険料相場、最適な保険選びのポイントから見積もり取得の手順まで、最新情報をもとに詳しく解説します。

目次

太陽光発電の保険見積もり前に知っておきたい保険料相場【2025年最新版】

太陽光発電設備への投資を検討する際、保険料は運用コストの重要な部分を占めます。実際にどのくらいの保険料がかかるのか、まずは相場を把握しておきましょう。

太陽光発電の保険料が決まる4つの要素

太陽光発電の保険料は、主に以下の4つの要素によって決定されます。

1.設備の規模・種類による違い

太陽光発電設備の規模(発電容量)や種類は保険料に大きく影響します。一般的に発電容量が大きくなるほど設備価格が高額になるため、保険料も比例して上昇します。また、地上設置型か屋根設置型かによっても保険料が異なり、屋根設置型は架台の安定性や設置環境などの要因により、同じ容量でも保険料設定が変わる傾向があります。

2.設置場所の自然災害リスク

太陽光発電設備が設置されている地域の自然災害リスクは、保険料に大きく影響します。台風の多い沿岸部、積雪の多い地域、地震発生確率の高い地域などでは、標準料率よりも20〜50%程度高い保険料が設定されることがあります。また、過去にその地域で大規模な自然災害が発生している場合は、さらに保険料が上乗せされる可能性があります。立地選定の際には、初期投資だけでなく、このような継続的なコストも考慮することが重要です。

3.補償内容の範囲

設備自体の損害のみをカバーするのか、それとも事業中断による利益損失(逸失利益)もカバーするのかによって保険料は大きく異なります。基本的な財物保険のみの場合と、利益保険や賠償責任保険も含めた包括的な補償では、保険料に2〜3倍の差が生じることもあります。特に産業用太陽光発電においては、設備損壊による発電停止期間中の売電収入損失をカバーする利益保険を追加するかどうかが重要な検討ポイントになります。

4.保険会社による料率の違い

同じ補償内容でも保険会社によって保険料や細かい条件が異なります。大手保険会社は安定した補償を提供する一方で保険料が高めになる傾向があり、専門特化型の保険会社は太陽光発電に特化したプランで競争力のある保険料を提供していることもあります。また、保険会社ごとにリスク評価の基準や割引制度が異なるため、同じ設備でも保険会社によって10〜30%程度の料率差が生じることもあります。

家庭用・産業用別の保険料相場を解説

家庭用(10kW未満)の太陽光発電の保険料相場

 

家庭用太陽光発電システム(10kW未満)の保険料相場は、設備価格の0.5〜1.0%程度が一般的です。具体的な金額としては、年間15,000円〜30,000円程度となっています。一般的な住宅用太陽光発電システム(5kW程度)であれば、年間約20,000円前後の保険料を見込んでおくとよいでしょう。

また、既存の火災保険に特約として追加する場合は、単体で契約するよりも割安になることが多く、年間10,000円〜20,000円程度で補償を受けられる場合もあります。

低圧(50kW未満)の太陽光発電の保険料相場

低圧産業用太陽光発電(10kW以上50kW未満)の場合、設備価格の0.3〜0.8%程度が保険料の目安です。金額にすると、20kWのシステムで年間約40,000円〜90,000円、50kWのシステムで年間約80,000円〜180,000円程度となります。

なお、導入後の経過年数によっても保険料は変動し、設置から5年以上経過したシステムでは新設時に比べて10〜20%程度保険料が上昇する傾向にあります。

高圧(50kW以上)の太陽光発電の保険料相場

高圧太陽光発電(50kW以上)の保険料は、一般的に設備価格の0.3〜0.6%程度です。例えば、1MW(1,000kW)規模のメガソーラーでは、年間約150万円〜300万円程度の保険料が目安となります。

ただし、立地条件(台風の多い地域か否か)や設置方法(架台の強度など)によって保険料は大きく変動します。特に災害リスクの高い地域では、標準的な料率の1.5〜2倍程度の保険料が設定されることもあります。

2025年問題?保険料値上げの実態と背景

2024年10月以降、太陽光発電設備向けの保険料は全国的に値上げ傾向にあります。これは近年の大型台風や豪雨被害の増加により、保険金支払いが増加していることが主な要因です。2025年現在、特に以下の条件では保険料の上昇が顕著になっています。

  • 台風被害の多い地域(特に沿岸部):標準料率から20〜30%増
  • 設置から7年以上経過した設備:新設時に比べて最大30%増
  • 過去に保険金請求歴のある設備:最大50%増

保険料の上昇に対処するには、複数の保険会社から見積もりを取得して比較検討することと、後述する保険料削減策を検討することが重要です。

太陽光発電に必要な保険の種類と補償内容

太陽光発電設備のリスクをカバーする保険は複数の種類があり、それぞれ補償範囲が異なります。投資を保全するために、どのような保険が必要なのかを理解しておきましょう。

主要な4種類の太陽光発電保険の特徴

1. 財物保険(物的損害保険)

財物保険は、太陽光発電設備そのものの物理的な損害を補償する最も基本的な保険です。太陽光パネル、パワーコンディショナー、架台、配線などの設備を補償対象とし、火災、落雷、風災、雪災、水災、盗難などのリスクをカバーします。設備の修理・交換費用などが補償内容に含まれます。

  • 年間保険料目安:設備価格の0.3〜0.7%程度
  • 保険金額:設備の時価額または再調達価額
  • 免責金額:通常1事故あたり5〜10万円程度
  • 補償期間:通常1年間(自動更新可能)

2. 利益保険(休業損害保険)

利益保険は、設備の損害により発電・売電ができなくなった期間の逸失利益を補償する保険です。発電停止期間中の予想売電収入を補償対象とし、財物保険の対象になる事故によって発電が停止するリスクをカバーします。修理期間中の売電収入減少を補償することが特徴です。

  • 年間保険料目安:予想年間売電収入の0.4〜0.8%程度
  • 保険金額:年間予想売電収入額
  • 免責金額:通常3〜7日間の免責期間
  • 補償期間:通常は最大12ヶ月

3. 賠償責任保険

賠償責任保険は、太陽光発電設備に起因する第三者への損害賠償責任を補償する保険です。第三者への身体障害や財物損壊に対する法律上の賠償責任を補償対象とし、パネルの飛散、落下物による被害、漏電による火災などのリスクをカバーします。対人・対物賠償だけでなく、訴訟費用も補償内容に含まれることが特徴です。

  • 年間保険料目安:設備価格の0.1〜0.3%程度
  • 保険金額:1事故あたり1億円〜3億円が一般的
  • 免責金額:通常1事故あたり1〜5万円程度
  • 補償期間:通常1年間(自動更新可能)

4. 総合保険(オールリスク型)

総合保険は、上記3種類の保険を包括的にカバーする総合的な保険プランです。設備自体の損害、利益損失、賠償責任を包括的にカバーし、ほぼすべてのリスク(免責事項を除く)を補償対象とします。一つの保険で幅広い補償が可能ですが保険料は高めになります。補償の抜け漏れがなく、手続きも一本化できるため、複雑な手続きを避けたい事業者には特にメリットが大きい保険です。

  • 年間保険料目安:設備価格の0.7〜1.2%程度
  • 保険金額:設備価格および年間売電収入に応じて設定
  • 免責金額:通常1事故あたり5〜10万円程度
  • 補償期間:通常1年間(自動更新可能)

産業用太陽光発電への投資では、財物保険だけでなく利益保険も組み合わせて検討することが重要です。特に、売電収入を返済原資とするローンを組んでいる場合は、発電停止期間中の収入減少が資金繰りに直結するため、利益保険の重要性が高まります。

メーカー保証と保険の違いを理解する

太陽光発電設備を導入する際には、メーカー保証と保険の違いを正しく理解し、どちらも適切に活用することが重要です。

メーカー保証には主に「システム保証」と「出力保証」の2種類があります。システム保証は太陽光発電システムの機器(パネル、パワーコンディショナーなど)の故障や不具合を無償で修理・交換するもので、一般的には10〜15年の保証期間が設定されています。一方、出力保証は太陽光パネルの発電出力が保証値(通常は経年で徐々に低下する想定出力)を下回った場合に、パネルの修理や交換を行うもので、20〜25年の長期保証が一般的です。

しかし、メーカー保証だけではリスクヘッジができる範囲に限界があります。自然災害(台風、雪害、水害など)による損害は対象外であり、外部要因(天災、人災)による損傷もカバーされません。設置工事に起因する不具合は対象外の場合も多くあります。逸失利益(売電停止による収入減少)もメーカー保証ではカバーされない重要な点です。また、メーカーが倒産するリスク(保証継続不能)も考慮する必要があります。

保険は、メーカー保証ではカバーされないリスクを補完する役割を持ちます。自然災害(台風、地震、水害、雪害など)による設備損害、盗難や破壊行為などの人的被害、火災や落雷などによる損害に加え、発電停止期間中の売電収入減少や設備に起因する第三者への賠償責任なども保険でカバーすることができます。

メーカー保証と保険を適切に組み合わせることで、太陽光発電設備への投資リスクを包括的に管理することができます。特に自然災害の多い日本では、メーカー保証だけでは不十分であり、適切な保険カバーが不可欠と言えるでしょう。太陽光発電への投資を長期的に安定させるためには、両者のカバー範囲の違いを理解し、補完し合うように活用することが重要です。

太陽光発電の保険見積もりを取るための手順

適切な保険を選ぶためには、複数の保険会社から見積もりを取得し、比較検討することが重要です。ここでは、効率的に見積もりを取得するための手順を解説します。

複数社から見積もりを取得して比較する方法

効率的に見積もりを取得し、最適な保険を選ぶためには、事前の準備と適切な比較検討が重要です。見積もりを依頼する前には、以下の情報を整理しておくと効率的に進められるでしょう。

  • 太陽光発電システムの詳細(パネルメーカー、型式、容量、設置年月)
  • 設置場所の詳細(住所、設置場所の種類:屋根上/地上)
  • システムの導入費用(初期投資額)
  • 年間予想発電量と売電単価
  • 既存の保険契約の有無と内容
  • 過去の事故・保険金請求歴
  • 希望する補償内容(財物保険、利益保険、賠償責任保険など)

見積もりの取得は、保険代理店やオンラインの一括見積もりサービスを活用することをおすすめします。太陽光発電専門の保険代理店であれば詳細なアドバイスを受けることができます。一括見積もりサービスであれば、一度の入力で複数社の見積もりを取得できるため効率的です。また、特定の保険会社のプランに関心がある場合は、その会社に直接問い合わせることも有効でしょう。太陽光発電に強みを持つ保険会社を中心に、最低でも3社以上から見積もりを取得することがおすすめです。

見積もりを比較する際は、保険料だけでなく補償内容の違いを詳細に比較し、免責金額(自己負担額)の違い、特約の有無と内容、保険金支払いの条件と制限事項、保険会社の財務健全性や太陽光発電保険の実績なども確認しましょう。単に保険料の安さだけで選ばず、補償範囲と保険料のバランスを重視することが重要です。また、保険契約の更新条件や将来的な値上げの可能性についても確認しておくとよいでしょう。

主要保険会社3社の特徴と見積もり方法

2025年現在、太陽光発電設備の保険を提供している主要保険会社3社の特徴をご紹介します。各社の特徴を理解した上で、自分の状況に合った保険会社を選びましょう。

損害保険ジャパン株式会社

損害保険ジャパンでは「企業総合補償保険(オールリスク型保険)」が太陽光発電事業で起こり得るリスクに対応しています。利益保険の補償期間が最大24ヶ月と業界最長レベルであることが大きな強みです。見積もりは公式サイトからの問い合わせまたは代理店経由で取得できます。保険料の目安は設備費用の0.4〜0.8%程度です。保険金支払いの迅速さと充実したサポート体制が評価されており、特に長期間の発電停止リスクを重視する事業者におすすめです。

詳細はこちらの記事(「損保ジャパン」の太陽光発電の保険3つの特徴)で紹介しているので、ご参照ください。

参考:https://www.sompo-japan.co.jp/hinsurance/risk/property/order/

東京海上日動火災保険株式会社

東京海上日動火災保険は「超ビジネス保険」が太陽光発電事業で起こり得るリスクに対応しています。メンテナンス期間中の事故も補償対象に含める特約があることが大きな特徴です。見積もりは公式サイトまたは代理店経由で取得できます。保険料の目安は設備費用の0.35〜0.75%程度です。長期契約や複数補償をまとめることで割引制度が適用されることが評価ポイントで、長期的な運用を前提とした太陽光発電事業者には特にメリットが大きい保険会社です。

詳細はこちらの記事(「東京海上日動」の太陽光発電の保険3つの特徴)で紹介しているので、ご参照ください。

参考:https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/hojin/jigyo/cho_business/

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社

あいおいニッセイ同和損害保険では「タフビズ(事業活動総合保険)」が太陽光発電事業で起こり得るリスクに対応しています。オプション特約で地震リスクにも幅広く対応できます。見積もりは代理店経由またはオンライン問い合わせで依頼できます。保険料の目安は設備費用の0.4〜0.8%程度です。中小規模の太陽光発電事業者向けのサポートが充実していることが評価ポイントで、個人や中小企業による太陽光発電投資を検討している方に適した保険会社です。

詳細はこちらの記事(「あいおいニッセイ同和損保」の太陽光発電の保険3つの特徴)で紹介しているので、ご参照ください。

参考:https://www.aioinissaydowa.co.jp/business/product/toughbiz/jigyokatudo/

これら3社の主要保険会社は、インターネットからの見積り依頼が可能ですが、産業用太陽光発電の場合は専門の代理店経由で見積もりを取得することで、より詳細な条件設定や交渉が可能になるケースもあります。複数社から見積もりを取得して比較検討することが、最適な保険選びの鍵となります。

太陽光発電の保険料を安くするコツ

太陽光発電設備の運用コストを抑えるために、保険料の削減は重要なポイントです。ここでは、保険料を効果的に抑えるための方法を解説します。

保険料を抑えるための方法

保険料を抑えつつも必要な補償を確保するには、以下の方法が有効です。

必要な補償内容に絞り込む

すべてのリスクをカバーしようとすると保険料は高額になります。実際に起こりうるリスクと影響度を評価し、重要な補償に絞ることで保険料を抑えられます。

例えば、地震リスクが低い地域であれば地震補償を外す、または利益保険の補償期間を短くするなどの調整が可能です。ただし、重大なリスク(火災、風災など)に対する補償は外さないようにしましょう。

免責金額の設定で保険料を下げる

免責金額(自己負担額)を設定することで、保険料を大幅に下げることができます。小額の損害は自己負担し、大きな損害のみを保険でカバーする方針にすると効果的です。

一般的に10万円の免責金額設定で約5〜10%の保険料削減が可能で、30万円の免責金額設定では約15〜20%、50万円の免責金額設定では約20〜30%の保険料削減効果が見込めます。資金的に余裕がある場合は、免責金額を高めに設定することで、長期的なコスト削減が実現できます。ただし、免責金額を高く設定する際は、実際に事故が発生した場合の自己負担額を十分に検討し、資金計画に無理がないよう注意することが重要です。

長期契約で割引を適用する

1年契約ではなく、複数年契約を選択することで割引が適用されます。

一般的に2年契約では約5%割引、3年契約では約8%割引、5年契約では約10〜15%割引が適用されます。長期契約は保険料の安定化にもつながるため、特に売電収入が固定価格買取制度で安定している場合には有効な選択肢です。ただし、長期契約を検討する際は、保険会社の経営安定性や将来的な補償内容の変更可能性についても確認しておくことが重要です。また、途中解約時の条件や、設備の増設・変更時の契約変更の柔軟性についても事前に確認しておくとよいでしょう。

複数の設備をまとめて契約する

複数の太陽光発電所を所有している場合、個別に契約するよりもまとめて契約することで保険料が割引されるケースがあります。これは「フリート割引」や「グループ割引」と呼ばれ、保険会社によっては10〜20%程度の割引が適用されます。

特に、地理的に分散した複数の太陽光発電所を所有している場合は、リスク分散効果も評価されて有利な条件になることがあります。

O&Mサービスと保険を一体化するメリット

太陽光発電設備の運営・保守(Operation & Maintenance: O&M)サービスと保険を一体化することで、総コストの削減とリスク管理の強化が実現できます。

O&Mサービスと保険を同一の事業者から一体的に提供してもらうことで、パッケージ割引により5〜15%程度の保険料割引が適用されることが多くあります。例えば、年間O&M費用が50万円、保険料が30万円の場合、一体化することで年間5〜12万円程度のコスト削減効果が見込めます。

O&Mサービスと保険が一体化されていると、トラブル発生時の連絡窓口が一本化されて対応が迅速になります。保険調査と修理作業の連携がスムーズになることで復旧時間の短縮につながるでしょう。また、O&M事業者が保険に精通していることで適切な保険金請求が可能になります。

トラブル発生から復旧までの時間短縮は、特に利益保険(休業補償)の面で大きなメリットとなります。例えば、復旧期間が1ヶ月から2週間に短縮されれば、1MWの太陽光発電所では約150万円の売電収入の差になります。

また、一部の保険会社では遠隔監視システム導入による保険料割引(5〜10%程度)を提供しています。異常の早期発見によって被害を最小化できるためです。特に高性能な監視システムを導入し、24時間体制での監視と迅速な対応体制を構築している場合、保険会社との交渉により保険料の優遇を受けられる可能性があります。大きな事故を未然に防ぐことは、長期的な保険料上昇を抑制する効果もあります。

太陽光発電の保険契約前に確認すべき注意点

保険契約を結ぶ前に、後悔しないためのチェックポイントをしっかり確認しておきましょう。

保険加入前によくある失敗例と対策

太陽光発電の保険加入時によくある失敗として、「自然災害は補償されると思っていたが、特定の災害(土砂崩れ、水害など)が補償対象外だった」というケースがあります。契約前に補償される災害と除外される災害を明確にリスト化してもらい、特に自分の設置地域で起こりやすい災害がカバーされているかを詳細に確認することが重要です。

また、「太陽光パネルは補償されているが、パワーコンディショナーや配線などの周辺機器が補償対象外だった」というケースもよくあります。設備一式(パネル、パワーコンディショナー、接続箱、配線、架台など)がすべて補償対象になっているかを事前に確認し、保険証券に明記してもらうことが必要です。

さらに、「発電停止中の売電収入減少が補償されないことに気づかなかった」というケースもあります。財物保険に加え、設備修理中の売電収入減少もカバーする利益保険(休業損害保険)も必要に応じて検討しましょう。

これらの失敗例は、補償の対象外となる範囲を正しく理解できていないことで起こります。免責事項を正しく理解し後悔しないためにも、まず保険約款の免責条項を詳細に読み込み、どのような場合に保険金が支払われないのかを明確に把握することが重要です。特に注意すべき点は、経年劣化や通常の摩耗による故障、メンテナンス不足が原因の損害、設計・施工上の欠陥による損害などは一般的に免責事項とされることです。これらの内容を事前に理解し、必要に応じて追加の特約で補完できるかを保険会社に確認しましょう。

免責金額(自己負担額)については、契約時に設定される金額を十分に検討することが大切です。免責金額が高すぎると小規模な損害では保険金が支払われないため、自分の資金状況とリスク許容度に応じて適切な金額を設定する必要があります。免責金額を下げると保険料は上がりますが、実際に損害が発生した際の負担を軽減できるため、長期的な視点で判断することが重要です。

保険金支払いの前提条件についても、契約前に必ず確認しておくべきポイントです。多くの太陽光発電保険では、定期的なメンテナンスの実施が保険金支払いの条件となっており、この義務を怠ると保険金が支払われない可能性があります。契約書に記載されているメンテナンス頻度や内容を確認し、確実に実行できる体制を整えることで、いざという時に保険金を受け取れるようにしておきましょう。

実際の保険金支払い事例から学ぶ

実際の保険金支払い事例を通じて、保険の重要性と活用方法を理解しましょう。

①落雷による設備損壊の実例と支払額

画像引用元:屋根上太陽光に直撃雷、パネルに穴が空き、接続箱にも延焼 – メガソーラービジネス plus

千葉県の50kW太陽光発電所で発生した落雷による設備損壊事例では、設備オーナーが財物保険と利益保険に加入していました。落雷により複数のパネルとパワーコンディショナーが損傷し、直接的な設備の損傷に対して約350万円の保険金が支払われました。さらに修理期間中(約2週間)の発電停止による売電収入の損失に対して約40万円の休業補償が支払われました。

特に注目すべき点は、落雷の被害は設備自体の損傷だけでなく、電気系統全体に及ぶことが多い点です。目に見える損傷がなくても、専門業者による診断を受けることが必要になります。この事例では、初期診断時には見つからなかった配線の損傷が後日発見され、追加の修理と保険金支払いが行われました。

②台風による設備損壊の実例と支払額

沖縄県の200kW太陽光発電所で発生した台風による設備損壊事例では、強風でソーラーパネルの一部が飛散し、残りのパネルも雨水の侵入により使用不能になりました。総額約2,800万円の保険金が支払われ、うち設備修復費用が約2,200万円、売電収入補償が約600万円でした。

台風被害は復旧に時間がかかることが多く、この場合も完全復旧までに約2ヶ月を要しました。適切な保険に加入していたことで設備の完全復旧が可能になり、事業継続ができたことが重要なポイントです。利益保険に加入していなかった場合、この期間の売電収入がすべて失われていたことになります。

これらの実例が示すように、適切な保険カバーは太陽光発電投資を守る重要な安全網となります。特に、自然災害リスクの高い日本においては、万全の備えが投資の安定性を高めることにつながるでしょう。

オムズクラブの紹介

太陽光発電設備の安全な運用と投資効率の最大化を実現するためには、包括的なサポートサービスの活用が重要です。om’s club(オムズクラブ)は、太陽光発電設備の導入前の計画段階から、設置後の運用・保守、そして万が一のトラブル対応まで一貫したサポートを提供しています。

特に保険に関連する特徴として、om’sには保険と売電補償がパッケージとして付帯します。さらに、免責金額が設定されている保険が多い中、om’s付帯保険は免責0円です。過剰な保険料を支払うことなく、必要十分な補償を確保するサポートを行うことで、投資効率の最適化を図ることができます。

また、定期点検や遠隔監視システムによる遠隔監視など、充実したO&Mサービスと保険を組み合わせることで、総合的なコスト削減を実現しています。万が一の事故やトラブル発生時には、初期対応から保険金請求、復旧作業までワンストップでサポートし、保険会社との交渉や必要書類の準備など、煩雑な手続きも専門スタッフがフォローします。

om’s clubのサービスを活用することで、太陽光発電投資のリスクを最小化しながら、運用コストの最適化を図ることができます。特に複数の太陽光発電設備を所有する投資家にとって、一元的な管理と効率的なリスク対策は大きなメリットとなります。
さらに詳しい情報や具体的なサービス内容、料金プランについては、当サイトのサービスページをご覧いただくか、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ・資料請求 – om’s club

まとめ

太陽光発電設備への投資を保全し、長期的な収益性を確保するためには、適切な保険選びが不可欠です。2025年現在、自然災害の増加により保険料の上昇傾向が続いている中で、設備規模や設置場所のリスク、補償内容の範囲、保険会社による料率の違いを理解した上で、最適な保険設計を行うことが重要になっています。

太陽光発電への投資は長期にわたるため、初期の保険選びが将来の収益性を左右します。自然災害リスクの高い日本では、適切な保険カバーは投資を守る重要な安全網であり、効率的なO&Mサービスと組み合わせることで、予期せぬ事態にも柔軟に対応できる強靭な太陽光発電事業を構築できます。適切な保険選びを通じて、長期的に安定した投資リターンを実現しましょう。

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